荷車の歌

映画『荷車の歌』について

1959年に公開された『荷車の歌』は、全国農村映画協会が製作し、山本薩夫が監督を務めた日本映画です。原作は山代巴の同名小説で、農業協同組合の婦人部が一人10円のカンパを集め、総額3200万円という当時としては巨額の製作費を投じて製作されました。

制作の背景

この映画は、全国各地の農村を長期間にわたり巡回上映され、多くの観客を動員しました。農村の生活や女性たちの力強さを描いた作品として、当時大きな話題を呼びました。

キャストについて

主演は望月優子が務め、共演には三國連太郎、左幸子など、豪華な俳優陣が名を連ねています。望月優子は、三國連太郎が役作りに凝りすぎていたため、山本監督に抗議したというエピソードが残っています。また、左時枝（当時の芸名は左民子）は、姉である左幸子が演じる主人公の娘の少女時代を演じています。

受賞歴

この作品は、キネマ旬報ベストテンで第4位にランクインしたほか、毎日映画コンクールでは監督賞と音楽賞を受賞するなど、高い評価を受けました。

スタッフ

監督：山本薩夫
脚本：依田義賢
原作：山代巴
企画：全国農協婦人組織協議会
撮影：前田実
音楽：林光
美術：久保一雄

キャスト

セキ：望月優子
茂市（セキの夫）：三國連太郎
オト代（セキの娘）：左幸子
オト代の少女時代：左民子
セキの姑：岸輝子
ヒナ（茂市の妾）：浦辺粂子
ナツノ：水戸光子
初造：西村晃
藤太郎：稲葉義男
三造：佐野浅夫
三郎（セキの末っ子）：矢野宣
虎男（セキの長男）：塚本信夫
役名不明：島田屯
セキの父：大町文夫
ナナシキの旦那：小沢栄太郎（特別出演）
リヨ：利根はる恵
コユキ：辻伊万里
西屋の女房：戸田春子
セキの母：五月藤江
トメ子（セキの次女）：小笠原慶子
スエ子（セキの三女）：加藤鞆子
鈴枝：赤沢亜沙子
コムラ：奈良岡朋子

ストーリー

映画の舞台は、昭和初期の農村です。主人公セキは、夫の茂市と姑と暮らしながら、厳しい生活を送っています。一家は貧しく、セキは家計を支えるために必死に働きます。そんな中、夫の茂市は妾を囲い、セキの生活はさらに苦しくなります。それでも、セキは子供たちのために強く生きようとします。映画は、当時の農村の厳しい現実と、そこで生きる人々の姿を、力強く描いています。

作品の評価

『荷車の歌』は、農村の厳しい現実をリアルに描きながらも、そこに生きる人々の力強さ、特に女性たちの強さを描いた作品として、今もなお多くの人々に愛されています。また、山本薩夫監督の演出と、豪華なキャストの演技も見どころです。

外部リンク

荷車の歌 - allcinema
荷車の歌 - KINENOTE

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