荻内勝之

荻内勝之

荻内勝之（おぎうち かつゆき、1943年8月1日 - ）は、日本のスペイン文学者であり、翻訳家としても著名な人物です。

略歴

荻内勝之は、神戸市外国語大学イスパニア学科を卒業後、バルセロナ大学文学部イスパニア研究科で学びました。さらに、神戸市外国語大学大学院修士課程を修了。1970年には東京経済大学専任講師として教鞭を執り始め、助教授を経て1989年に教授に就任しました。

神戸市外国語大学時代には、セルバンテスの『ドン・キホーテ』の訳者として知られる高橋正武から薫陶を受けました。高橋正武の指導のもと、セルバンテスの晩年の長篇作品である『ペルシーレス』を初めて翻訳し、自身も四番目となる『ドン・キホーテ』の完訳を成し遂げました。

研究者として、スペイン文学、セルバンテス文学の研究に大きく貢献する一方で、児童文学の創作や『好色五人女』の研究も行うなど、ユニークな文学研究者として知られています。

著書

『ドン・キホーテの食卓』（新潮社、新潮選書、1987年）
『スペイン・ラプソディ プロフェソール・オギウチのスペイン“的"ウォッチング 狂詩曲』（主婦の友社、1989年）
『コロンブスの夢』（篠田有史共編著、新潮社、とんぼの本、1992年）
『おっ父ったんが行く』（福音館書店、福音館日曜文庫、1994年）
『イスパニア国王フェリーペ二世に裏切られた男 アントニオ・ペレスの帰郷』（彩流社、2021年）

翻訳

『内部の調』（ウナムーノ、「著作集5」法政大学出版局、1973年）
戯曲「五年経ったら」（ガルシア・ロルカ）
『フェデリコ・ガルシーア・ロルカ 第3巻 1931 - 1936』（牧神社、1975年）
『ロルカ戯曲全集 第2巻』（沖積舎、1984年、新版1992年）
『ペルシーレスとシヒスムンダの冒険』上・下（セルバンテス、国書刊行会、世界幻想文学大系16、1980年）
『ペルシーレス』上・下（ちくま文庫、1994年）
改訳版（水声社、セルバンテス全集 第7巻、2017年）
『豚の戦記』（ビオイ＝カサーレス、集英社、ラテンアメリカの文学、1983年、集英社文庫、1994年）
『太鼓に踊る』（A.ウスラル＝ピエトリ、「ギャラリー、世界の文学」集英社、1990年）
『国王 - スペイン国王ドン・フアン・カルロスI世との対談』（ホセ・ルイス・デ・ビラジョンガ、オプトコミュニケーションズ、1994年）
『ドン・キホーテ』全4巻（セルバンテス、新潮社、2005年）

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