萩原康弘

萩原 康弘（はぎわら やすひろ）

1947年11月17日、神奈川県横浜市神奈川区に生まれ、プロ野球界で外野手として活躍した人物です。

高校、大学時代

神奈川県にある荏原高校（現在の日本体育大学荏原高等学校）に進学した萩原氏は、3年生だった1965年に一塁手として春の選抜高等学校野球大会に出場。これは荏原高校にとって初めての甲子園出場でした。しかし、2回戦（初戦）で、後にプロでも活躍する福島久晃、長井繁夫らを擁するPL学園高校に敗退しました。同年夏の甲子園東京都予選では、準決勝で日大二高に敗れ、惜しくも連続での甲子園出場はなりませんでした。高校時代の同期には、プロ入り後にチームメイトとなる原田治明（当時中堅手）がいました。

高校卒業後、中央大学へ進学。東都大学野球リーグでは、一塁手や左翼手としてチームの主力として活躍しました。1967年春季リーグでは、エース宮本幸信の好投を背景にチームを優勝に導き、続く全日本大学野球選手権大会でも、決勝で藤原真投手を擁する慶應義塾大学を破り、中央大学史上初の選手権優勝に貢献しました。同年の秋季リーグ戦では、外野手としてベストナインに選出されています。大学リーグ通算では85試合に出場し、250打数で68安打、打率.272、1本塁打、24打点の成績を残しました。大学の同期には、皆川康夫、末永正昭、そして高校時代に甲子園で対戦した長井繁夫などがいました。

プロ野球キャリア

大学での実績が評価され、1969年秋のドラフト会議で読売ジャイアンツから3位指名を受け入団しました。当時の巨人外野陣には高田繁、柴田勲、末次民夫といった不動のレギュラーがいましたが、1971年シーズン序盤には末次選手の代わりに右翼手として先発起用される機会を得ました。この年、28試合に先発出場を果たしましたが、打率が振るわず、シーズン後半は出場機会が減り、レギュラー定着には至りませんでした。その後は主に代打や控えの外野手としてチームを支えました。

巨人時代で特に記憶に残る一打として、1973年10月11日に後楽園球場で行われた阪神タイガースとの首位攻防戦での代打逆転3ランが挙げられます。この試合、当時の阪神のエースだった上田二朗投手から放ったこの本塁打は、多くのファンの脳裏に刻まれました（試合結果は引き分け）。

1975年12月、小俣進選手との交換トレードで広島東洋カープに移籍しました。広島では外野手、一塁手として準レギュラーとして長く活躍します。移籍初年度の1976年には、31試合に先発出場し、打率.341という高い成績を残しました。その後もチームに貢献し、1979年、1980年のリーグ連覇に貢献。近鉄バファローズとの日本シリーズにも、主に代打として2年連続で出場しました。1980年には自己最多となる88試合に出場するなど、カープの黄金期を支えました。

1982年オフ、広島を戦力外となり、東京ヤクルトスワローズへ移籍。しかし、ヤクルトでは目立った成績を残せず、安打を放つこともなく、1983年限りで現役生活に終止符を打ちました。

プレースタイルとエピソード

プロでは守備や走塁に課題があったとされますが、勝負どころでの集中力が高く、特に左打者として代打の切り札として重宝されました。巨人時代の前述の逆転本塁打は、その勝負強さを象徴する出来事です。

現役時代のニックネームは「オバケ」。このニックネームには二つの由来があると言われています。一つは、ルーキーイヤーに打撃コーチだった荒川博氏から、バットスイングのスピードが遅いことを指して「オバケがバットを振り回しているようだ」と評されたことから。もう一つは、怪談話が非常に得意で、その話を聞いたチームメイトが怖さのあまり気を失うほどだった、というエピソードから来ています。

引退後の活動

現役引退後は、東京都豊島区目白にて喫茶店「HAGI」を経営しています。また、プロ野球OBによるマスターズリーグでは、札幌アンビシャスに所属しプレーした経験もあります。

背番号

• - 32 （1970年 - 1975年、巨人）
• - 28 （1976年 - 1982年、広島）
• - 23 （1983年、ヤクルト）

もう一度検索