葛湯

葛湯とは

葛湯（くずゆ）は、葛粉または片栗粉を水で溶き、砂[[糖]]を加えて加熱して作る、とろみのある温かい飲み物です。独特のとろみにより、冷めにくく、体を芯から温める効果があります。また、消化が良いことから、昔から離乳食、流動食、介護食、病み上がりの食事として重宝されてきました。

原材料

最高級とされるのは、本葛を使用した葛湯で、特に和三盆糖を加えたものは格別とされています。しかし、現在市販されている葛粉の多くは、ジャガイモやサツマイモなどから採取したデンプンで代用されています。家庭で作る際にも、葛の代用品としてデンプンやコーンスターチが用いられることが一般的です。

成分と薬効

葛湯の主な栄養成分は、葛粉由来の炭水化物と砂[[糖]]の糖分です。微量のミネラルは含まれますが、ビタミンはほとんど含まれていません。葛の根である葛根には、イソフラボン誘導体であるダイゼイン、ダイジン、プエラリンなどが含まれており、これらの成分には発汗、解熱、鎮痙作用があると言われています。そのため、初期の風邪の寒気を和らげたり、熱を下げたり、喉の渇きを癒したり、下痢の症状を緩和する効果が期待され、民間療法としても用いられてきました。近年では、イソフラボン誘導体が更年期障害、骨粗鬆症、糖尿病、乳がん、子宮がん、前立腺がんなどの治療や改善に効果がある可能性も示唆されています。

バリエーション

葛粉のみで作ると、透明または半透明で、砂[[糖]]の甘さを感じるシンプルな味わいになります。しかし、抹茶や生姜を混ぜることで、様々な風味を楽しむことができます。特に、生姜は体を温める効果を高めるとされています。ただし、生姜を生のまま加えると身体の深部を冷やす可能性があるため、体を温める効果を期待する場合には乾燥させて粉末にしたものがおすすめです。また、コーヒーや柑橘類の果汁を加えて飲むこともあり、これらの様々な風味の葛湯がインスタント商品としても販売されています。あられなどをトッピングして、食感のアクセントを楽しむのも良いでしょう。

作り方

葛湯は、鍋で加熱するだけでなく、茶碗やカップでも手軽に作ることができます。失敗を少なくするためには、以下の2段階で作りましょう。

1. 砂[[糖]]湯を作る: 茶碗に砂[[糖]]を入れ、少量の熱湯を注いでよく溶かし、砂[[糖]]湯を作ります。抹茶などを加える場合は、この時点で混ぜます。
2. 葛粉を加えて仕上げる: 砂[[糖]]湯が冷めたら、葛粉を加えてダマにならないようにしっかり混ぜます。ぬるま湯で砂[[糖]]を溶かした場合は、冷ます必要はありません。そこに十分な量の熱湯を注ぎ、素早くかき混ぜて透明になったら完成です。分量はお好みで調整してください。

まとめ

葛湯は、そのとろみと温かさで体を優しく癒してくれる、古くから親しまれてきた飲み物です。様々なアレンジを加え、日常の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

関連情報

クズ
葛粉
葛根湯
葛切り
葛餅
デンプン
* イソフラボン

参考: 葛湯 - コトバンク

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