董紹

董紹の生涯と業績

董紹（とう しょう）は生没年は不明ですが、北魏時代に活動した官僚で、字は興遠、出身地は新蔡郡鮦陽県です。彼は若い頃から学問に励み、特に文章表現に秀でていました。その知識と能力が評価され、四門博士として公職に就くことから彼のキャリアが始まります。

彼の経歴は多岐にわたりますが、最初は殿中侍御史、国子助教、さらには積射将軍を務め、最終的には中書舎人にまで上り詰めます。その過程で、彼は下問に対する優れた返答により宣武帝からも高い評価を受けました。

508年、永平元年の際、彼は豫州の懸瓠で起きた反乱に派遣されましたが、上蔡で梁軍の襲撃を受けて捕らえられてしまいます。捕虜となった彼は江東に送られ、その後、梁の将軍である呂僧珍と対面し、互いにその器量を認め合うこととなります。このやり取りが武帝に知れ渡り、董紹は帰国を許されました。帰国時には、北魏に捕らわれていた梁の軍人との交換で脱出が実現しました。

以降、董紹は永平年間に給事中に就任し、舎人を兼任。彼は梁との講和を提案しましたが、朝廷はこれを受け入れませんでした。その後、彼は軽車将軍という位を追加されて正式に舎人となり、さらに歩兵校尉として任じられました。

孝明帝時代の初めには、「御天馬頌」を献上し、これが評価されて帝からの賞賛を受けました。舎人のまま龍驤将軍、中散大夫、さらには冠軍将軍となり、右将軍・洛州刺史としての職責を担いました。正光末期には、梁の軍が荊州に侵攻し、董紹はそれに直面することとなります。彼は当時、北魏軍の裴衍と王羆が梁軍に敗北する前に、自身の懸念を上奏していたが、その後、順陽郡が再び占拠される事態となってしまいます。

527年、蕭宝寅が長安で反乱を起こすと、董紹は巴兵3000を指揮し出撃。これにより、平西将軍の号を賜り、功績から新蔡県の開国男に封じられました。永安年間には、安西将軍や梁州刺史などの役職を歴任し、清官として名を馳せました。

その後、長安に召喚され、爾朱天光の下で関右大行台に、さらには征西将軍としても活躍しました。532年には爾朱天光が洛陽に向かった際、董紹は長安の留守を任されることになりました。彼の人生はその後も続きましたが、534年に孝武帝が西遷する際には、董紹もこれに伴い御史中丞に任じられました。最期は宇文泰によって命を落とすことになります。

董紹には子があり、子の名は董敏です。彼もまた永安年間に太尉西閤祭酒に任命されています。

このように、董紹は北魏時代の歴史において重要な役割を果たした人物として記憶されています。彼の業績は『魏書』や『北史』に記録されています。

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