534年

534年：ヨーロッパ、アジアを揺るがせた激動の年

534年は、ヨーロッパとアジアで多くの重要な出来事が発生した年でした。西ローマ帝国崩壊後、ヨーロッパではフランク王国や東ゴート王国といった新たな勢力が台頭し、勢力争いが激化していました。一方、アジアでは、北魏の分裂や東ローマ帝国によるヴァンダル王国の滅亡など、大きな地殻変動が起きています。

ヨーロッパの情勢

東ゴート王国：10月3日、アマラスンタ女王が即位しましたが、年末には共同統治者テオダハドによるクーデターが発生し、王位はテオダハドが掌握することになります。これは東ゴート王国の内紛の始まりを告げる出来事でした。また、この年には東ゴート王国第2代国王アタラリックが10月2日に死去しています。
東ローマ帝国：1[[1月]]16日、ユスティニアヌス1世治世下の東ローマ帝国において、『ローマ法大全』の一つである「勅法彙纂」が公布・施行されました。これは、東ローマ帝国の法体系整備において重要な一歩となりました。さらに、ベリサリウス将軍率いる東ローマ軍は、ヴァンダル王国との戦争において、最終的にヴァンダル王ゲリメルを捕縛し、ヴァンダル王国を滅ぼしました。この勝利は、東ローマ帝国の勢力拡大に大きく貢献しました。
フランク王国：メロヴィング朝のフランク王国では、北部、中部、南部でそれぞれテウデベルト1世、キルデベルト1世、クロタール1世が即位しました。このことは、フランク王国の複雑な王位継承と地域分権的な政治構造を示しています。また、この年、ブルグント王国はメロヴィング朝フランクに征服され、ゴドマール王を最後に滅亡しました。
ウェセックス王国：ウェセックス王国の初代国王チェルディッチが死去しています。彼の死は、ウェセックス王国という新たな勢力の誕生と、ブリテン島の勢力図の変化を示唆しています。
ブリテン島：古ウェールズのブリトンのポーイス王国では、有名なバルド（吟遊詩人）であるタリエシンが誕生しています。彼は、ウェールズの文化と歴史に大きな足跡を残しました。

アジアの情勢

北魏：10月、北魏が東西に分裂し、東魏が興ります。1[[2月]]には孝武帝が毒殺され、北魏は滅亡しました。翌年1月には文帝が西魏を興すことになります。この北魏の分裂は、中国の歴史において重要な転換点となりました。
日本：日本では安閑天皇の時代であり、皇紀1194年に当たります。
朝鮮半島：高句麗、百済、新羅ではそれぞれ安原王、聖王、法興王が治世を続けました。
中国：梁では中大通6年、東魏では天平元年にあたります。

その他の出来事

武蔵国造の乱：武蔵国で国造の地位を巡る内紛が発生したと伝えられています。この出来事は、当時の日本の地方社会における権力争いを示すものです。

534年に生まれた人物

明帝（北周の第2代皇帝）
真興王（新羅第24代国王）
タリエシン（古ウェールズのバルド）

534年に亡くなった人物

テウデリク1世（フランク王国の王）
アタラリック（東ゴート王国第2代国王）
孝武帝（北魏の第14代皇帝）
トラレスのアンテミオス（東ローマ帝国の数学者・建築家）
チェルディッチ（ウェセックス王国初代国王）

534年は、ヨーロッパとアジアの政治・社会構造に大きな変化をもたらした、激動の年であったと言えるでしょう。この年の出来事は、後の歴史に大きな影響を与えたことは間違いありません。

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