葦毛湿原

葦毛湿原（いもうしつげん）

愛知県豊橋市岩崎町に位置する葦毛湿原は、その豊かな自然から「東海のミニ尾瀬」と称される美しい湿原です。1992年に愛知県の天然記念物に指定された後、2021年には国の天然記念物にも指定され、その価値が広く認められています。また、花の百名山および新・花の百名山にも選定されており、四季折々の花々が訪れる人々を魅了します。

概要

湿原は石巻山周辺の山域とともに、愛知県の石巻山多米県立自然公園内に位置しています。標高約60mから75mの小高い山の緩やかな斜面に広がり、面積は約5ヘクタール。木製の遊歩道が整備されており、湿原を一周しながら様々な植物や生き物を観察できます。湿原には約250種類もの湿性植物が生息し、トンボやカエルなどの昆虫や動物も多く見られます。尾瀬のように長年の植物堆積によって形成された湿原とは異なり、葦毛湿原はチャートの基盤岩の上に水が流れる独特な構造を持っています。そのため、渇水期には水が枯れてしまうこともあります。

特徴的な植物

葦毛湿原では、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧II類に指定されている貴重な植物を観察することができます。ミカワバイケイソウ、カザグルマ、シラタマホシクサ、トウカイコモウセンゴケ、ミミカキグサなど、ここでしか見られない植物も多く、その保全が重要な課題となっています。

保護活動

豊橋市文化財センターと豊橋湿原保護の会などが協力し、考古学の発掘手法を応用した植生などの自然環境再生に取り組んでいます。貴重な自然環境を守るため、地域住民や関係機関が連携して保護活動を行っている点が特徴的です。

アクセス

公共交通機関を利用する場合、豊橋駅または赤岩口停留場から豊鉄バスに乗り、「岩崎・葦毛湿原」バス停で下車します。湿原の入り口は、赤岩山へと続く豊橋自然歩道の一部にもなっており、ハイキングも楽しめます。

メディアでの紹介

葦毛湿原は、NHK総合テレビの「さわやか自然百景」で2008年6月1日に紹介され、その美しい自然が広く知られるようになりました。

関連情報

• - 書籍:

- 『花かおる葦毛湿原』（ほおずき書籍、2005年6月）
- 『自然を読み解く山歩き』（JTBパブリッシング、2007年3月）

• - 関連項目:

- 湿原
- 弓張山地
- 花の百名山、新・花の百名山
- 石巻山多米県立自然公園
- 愛知県指定文化財一覧

• - 外部リンク:

- ようこそ「東海のミニ尾瀬」葦毛湿原へ

葦毛湿原は、その豊かな自然と貴重な植物の宝庫として、多くの人々を魅了し続けています。訪れる際は、自然保護にご協力をお願いします。

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