蒲原大堰

蒲原大堰について

蒲原大堰（かんばらおおぜき）は、日本の新潟県三条市に位置する堰で、一級河川である信濃川の本流下流部に建設されています。この堰は、国土交通省北陸[[地方整備局]]によって管理されており、国の直轄ダムに分類されます。1984年（昭和59年）に完成したこの堰は、中ノ口川との分流部に中ノ口川水門と共に設置され、信濃川下流部の洪水調整や中ノ口川の流量維持、さらには沿岸農地への灌漑用水供給、三条市への上水道供給を目的としています。

歴史的背景

蒲原地域は、近世以降多くのため政者によって河川改修が行われてきました。1597年に越後春日山城主の上杉景勝が行った河川改修は、この地域の歴史の端緒となり、その指揮を執ったのは直江兼続でした。彼らは、信濃川から中ノ口川を分流させ、燕三条付近の洪水調整及び上杉軍の施設を水害から守る施策を実施しました。江戸時代には、長岡藩の藩主である牧野忠精が地域の悪水を日本海へと排出する大規模な工事を行い、蒲原平野は穀倉地帯としての役割を果たすようになり、人口も増加しました。

しかしながら、大雨のたびに人々は洪水の被害に悩まされ、また渇水の時期には中ノ口川の流水が信濃川に流出することで灌漑や水運に影響が出ることもありました。これにより、根本的な洪水調整および安定した流水の維持が求められていました。

1961年の白根市での洪水被害を経て、建設省（現在の国土交通省北陸[[地方整備局]]）は、燕三条地域の河川整備を強化する必要性を感じるようになりました。中ノ口川沿岸は住民が密集していたため、堤防の引堤などによる対策は難しく、また水量維持の継続的な施策が求められました。ここに堰と水門の建設計画が立ち上がりました。

蒲原大堰の設立

1973年からは中ノ口川水門の建設が始まり、1978年に完成しました。その後、蒲原大堰の建設が1984年に完了し、これにより洪水予防や中ノ口川の正常な流量の維持、灌漑、上水道の供給が実現しました。目的としては、洪水による浸水を防ぎ、渇水時の中ノ口川の水量を維持することが含まれています。この施策により、農業用水の供給が安定し、蒲原地域の水道 インフラも強化されました。

蒲原大橋

蒲原大堰には、管理橋として蒲原大橋が併設されています。この橋は、鋼単純合成RC床版の鈑桁橋で長さが332メートルあります。主径間支間長は37.3メートルで、幅員は7.0メートルです。車道部分は幅5.5メートル、片側には1.5メートルの歩道が設置されています。施工には片山鉄工所と巴組鐵工所が関与しました。

結論

蒲原大堰は、地域の洪水調整や水道供給といった多目的な役割を果たしており、地域住民にとって重要なインフラの一つです。これにより、過去の水害の影響を軽減し、農業や生活環境の安定化に寄与しています。

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