蔡命新

蔡命新の生涯と業績

蔡命新（チェ・ミョンシン、1926年11月27日 - 2013年11月25日）は、韓国の著名な陸軍軍人であり、そのキャリアの中で多くの重要な役職を歴任した。特に、ベトナム戦争での韓国派遣軍の最高司令官として知られ、国際的な舞台でもその名が知られている。

初期の経歴と軍歴

彼は平壌師範学校を卒業し、教師として働いていたが、1947年に韓国を離れて越南。1948年には朝鮮警備士官学校を卒業し、任少尉として軍に入隊する。彼は初級将校として、済州島討伐作戦や太白山地区における共匪討伐作戦に従事し、そこでの経験が後のキャリアに影響を与えた。

1950年8月、蔡は第21連隊の第1大隊長代理に任命され、その年のうちに朝鮮人民軍の後方でゲリラ活動を指揮することになる。1951年には第7師団の第5連隊長を経て、第20師団第60連隊長へと昇進し、韓国軍の重要な役割を果たした。

軍内部での昇進と影響力

その後も、蔡は陸軍内部でさまざまな役職を歴任していく。1954年には第3軍団作戦参謀として活躍し、1955年からは第2訓練所長となり、さらには第1軍団参謀長や、野戦軍司令部作戦参謀を務めるなど、彼の軍事的な能力が高く評価された。

彼のキャリアの中で特筆すべきは、1961年の朴正煕による5・16軍事クーデターにおいて幹部として抜擢されたことである。この際、国家再建最高会議監察委員長に就任し、1963年には少将に昇進した。

ベトナム戦争とその後

ベトナム戦争では、韓国派遣軍の最高司令官として活動し、多くの論争を引き起こした。フォンニィ・フォンニャットの虐殺では、アメリカ軍に対し韓国軍の行動を誤って報告したとされており、この事件は今もなお議論の的となっている。蔡はまた、韓国軍が従事した対ゲリラ戦術の重要性を後に否定しない発言をしており、その姿勢には賛否が分かれる。

帰国後、彼は第2軍司令官に任命され、軍の業務を引き続き推進した。2000年にはベトナム戦争に関する自身の立場を明言し、過去の行動について口を閉ざすことはなかった。

テコンドーと外交

軍事的なキャリアだけでなく、蔡命新はテコンドーの普及にも尽力した。大韓テコンドー協会の初代会長となり、武道の発展に寄与した。また、ブラジルやスウェーデン、ギリシャの大使を歴任するなど、外交面でも多くの影響を持った。

最晩年と死

蔡は2013年11月25日に死去。彼の遺言には、将軍墓地でなく兵士墓地に埋葬されることが記されており、彼の生涯を象徴するかのような言葉である。

彼の生涯は、韓国の軍事史・外交史・文化史において多大な影響を与えるものであり、様々な視点から評価され続けている。

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