蔵園三四郎

蔵園三四郎に関する詳細

蔵園三四郎（旧姓・瀬戸川、1869年2月24日 - 1939年4月6日）は、日本の著名な政治家、弁護士そして実業家であった。彼は衆議院議員として活動し、鉄道政務次官や鉄道会議議員などの重要な役職を歴任した。また、南洋拓殖の設立にも関与し、薩摩製糸の取締役としても知られている。

経歴

蔵園三四郎は、薩摩国日置郡田布施村（現在の南さつま市）で平民の家庭に生まれた。父親は瀬戸川利右衛門で、彼の家族は裕福ではなかったため、若いころから様々な苦難を経験。特に14歳の頃には小学校の教師となり、その報酬として土地を贈られるなど、早くから自立した生活を求められていた。

1886年、彼は大阪に移り、そこで大阪開成中学館や三一学校で学び始める。さらに上京し、明治法律学校に入学。しかし、諸事情から退学となり、その後は上野図書館で独学を続け、弁護士試験に合格。1901年には東京に弁護士事務所を開設した。

その後、蔵園は政治の道を志し、1913年には神田区議会議員に選出され、1917年には区議会議長にも就任。1920年の第14回総選挙では東京選挙区から立候補するも惜しくも落選。しかし、1924年に鹿児島1区から政友本党の公認で出馬し、ようやく当選を果たした。以降、彼は5回の再選を経て、長い間衆議院議員として活動した。彼の所属政党は、同郷の床次竹二郎と行動を共にした結果、民政党や政友会、昭和会など次々と変遷した。

蔵園は岡田内閣で鉄道政務次官としての役割を果たし、また、実業界では薩摩製糸の取締役としても名を馳せていた。

人物

彼の性格は、政界での楽観主義者として知られており、人生には多くの苦難を経験したにもかかわらず、その楽観的な姿勢は周囲にも好影響を与えた。特に1923年の関東大震災前には、神田区猿楽町に豪華な事務所を構え、相当な名声と財を築いていたが、震災により全てを失ってしまうという悲劇も経験した。

法律の知識には非常に優れ、経済や哲学についても深い造詣を持っていた。そのため、彼は弁護士業務において非凡な熱心さと誠実さで信頼を得ていた。また、彼は謡曲や茶道、挿花、さらには弓術にも精通し、多趣味であり多才な人物であった。

彼の住居は、東京の下谷区、神田区、赤坂区、市谷加賀町など、いくつかの場所に点在していた。

家族・親族

蔵園三四郎は、養父・二郎（あるいは次郎）がいて、妻の春（1880年生まれ、東京出身）は伊藤元の娘であった。彼には二人の息子、一郎（1900年生まれ）と二郎（1902年生まれ）がいた。個人としての持ち味を生かしながら、公私にわたって活躍した彼の生活は、時代の荒波にもまれながらも豊かなものであった。

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