蕭如薫

蕭如薫（しょう じょくん）は、明代の軍人であり、字を季馨と称しました。彼の生涯は、数々の戦乱と政争に彩られたものでした。

初期の経歴と哱拝の乱

蕭如薫は、蕭文奎の子として生まれ、万暦年間に世襲の蔭官により百戸の位を受けました。その後、寧夏参将に昇進し、平虜城を守備することになります。1592年、寧夏鎮城で哱拝と劉東暘が反乱を起こすと、蕭如薫は平虜城で孤立無援の状態に置かれました。しかし、彼はこの危機的状況下で、妻の楊氏と共に兵士を鼓舞し、徹底抗戦の構えを見せました。哱拝の養子である哱雲がオルドス部の著力兎を引き連れて進攻してくると、蕭如薫は南関に伏兵を置き、巧みな戦術で敵を誘い込み、これを撃退しました。この功績により、万暦帝から厚く賞賛され、副総兵に抜擢されました。さらに、都督僉事として寧夏総兵官に任命され、周辺の援軍を統率し、李如松らと共に哱拝の乱を鎮圧しました。

オルドス部との戦いと転任

1594年、オルドス部のボショクト・ジノンが西方から侵攻すると、蕭如薫は責任を問われ一時免官となりました。しかし、すぐに寧夏総兵官として復帰し、固原に駐屯して守備につきました。彼は、オルドス部による度重なる侵攻を撃退し、青海部の侵攻に対しても孫仁と共に防戦し、多くの敵兵を捕縛、降伏させ、その武勇を示しました。その後、銀定や歹成といった勢力も度々侵入してきましたが、蕭如薫はこれらも撃退し、その手腕を高く評価されました。

晩年の動向と死

後に、蕭如薫は薊州総兵官に転任しますが、長らくして罷免され、故郷に帰りました。しかし、再び総兵官として起用され、延綏に駐屯することになります。1621年には、北京に召還され、京師の軍の訓練にあたり、神機営を統括しました。天啓帝にも謁見し、労をねぎらわれました。その後、徐州、保定へと駐屯地を変え、各地の守備にあたりました。しかし、1625年、魏忠賢による東林党への弾圧が始まると、蕭如薫は李三才との婚姻関係が問題視され、職を剥奪されてしまいます。そして、1628年にその生涯を閉じました。

家族

蕭如薫の家族構成は以下の通りです。

祖父: 蕭漢（涼州副総兵・都督僉事）
父: 蕭文奎（京営副将・都督同知）
兄: 蕭如蘭（陝西副総兵・都督僉事・前府僉書）、蕭如蕙（寧夏総兵官・都督同知）、蕭如芷（提督南京教場・都督僉事）
妻: 楊氏（工部尚書・楊兆の娘）

蕭如薫は、その勇猛果敢な戦いぶりで名を馳せましたが、晩年は政治的な抗争に翻弄され、不遇の晩年を送りました。しかし、彼が数々の戦場で示した武勲は、歴史にその名を刻んでいます。

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