薩摩永野駅

薩摩永野駅（さつまながのえき）

薩摩永野駅は、かつて鹿児島県薩摩郡薩摩町永野（現在の薩摩郡さつま町永野）に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）宮之城線の廃駅です。1987年（昭和62年）1月10日、宮之城線の全線廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

歴史

1935年（昭和10年）6月9日：薩摩鶴田駅から当駅までの区間が開業し、終着駅として開業しました。
1937年（昭和12年）12月12日：当駅から薩摩大口駅までの区間が開業し、中間駅となりました。
1962年（昭和37年）3月25日：貨物の取り扱いが廃止されました。
1984年（昭和59年）2月1日：荷物の取り扱いが廃止されました。
1987年（昭和62年）1月10日：宮之城線の廃止に伴い、駅も廃止されました。

駅構造

薩摩永野駅は、特徴的なスイッチバック方式を採用した有人駅でした。この方式は、かつて近くにあった山ヶ野金山とその周辺集落へのアクセスを容易にするために設けられました。大口方面へ向かう列車が、この駅に立ち寄るために、スイッチバック構造が採用されたのです。現在、スイッチバックの象徴ともいえるシーサスクロスポイントが保存されていますが、その位置は現役当時とは若干異なっています。

駅の構造は、島式ホーム1面2線を有しており、奥の部分では線路が再びまとめられ、機関車が列車の機回し作業を行うことができるようになっていました。

廃止後の状況

かつての駅舎は現存していませんが、その跡地には「永野鉄道記念館」が建てられています。この記念館は、鍵を借りることで自由に内部を見学することができ、鉄道の歴史を今に伝えています。記念館内には案内が掲示されています。

永野鉄道記念館は、南国交通バスの待合所としての機能も兼ね備えています。記念館の建物は、駅廃止後に新たに公民館を兼ねて建設されたもので、その総工費は4,770万円でした。

現在、永野鉄道記念館を経由するバスの便数は減少しており、鹿児島空港と宮之城・出水・阿久根方面を結ぶ南国交通バスは、駅跡から少し西に位置する「永野」バス停から発着しています。

また、敷地内にはホームの一部が保存されており、その脇の線路には保線用のモーターカーも展示されています。これらの保存物を通じて、かつての駅の姿を偲ぶことができます。

隣の駅

日本国有鉄道
宮之城線

広橋駅 - 薩摩永野駅 - 針持駅

脚注

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧
* 廃駅

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