藤内光澄

藤内光澄（とうない みつずみ）

藤内光澄は、平安時代後期の武士であり、生没年は不明です。源頼朝の御家人である堀親家の郎党として仕えました。

源義高追討と最期

元暦元年（1184年）1月、源頼朝は源義仲を討ち滅ぼしました。義仲の子である源義高は、頼朝の長女・大姫の許婚として鎌倉にいましたが、頼朝は義高が父の仇として遺恨を抱くことを懸念し、誅殺を計画します。

この計画は大姫の知るところとなり、4月21日未明、大姫は義高を密かに逃亡させました。夜になって事が露見すると、頼朝は堀親家らに命じて義高を追討させます。この追討使に光澄も加わっていました。

光澄は義高を捕捉し、入間河原で義高を殺害しました。4月26日、光澄は鎌倉に帰還し、この事を頼朝に報告しました。しかし、この一件は内密に進められたものの、やがて大姫の耳に入ります。大姫は深く悲しみ、病に伏せるほどに衰弱してしまいました。

大姫の母である政子は、主命とはいえ、事前に大姫に相談することなく義高を殺害した光澄を憎みました。そして、頼朝を押し切る形で、6月27日に光澄は獄門に処せられました。

参考文献

早川純三郎 編『吾妻鏡〈吉川本〉』 1巻、国書刊行会、2008年。ISBN 9784642041966。
小野文雄 編『日本歴史地名大系』 11巻《埼玉県の地名》、平凡社、1993年。ISBN 4582490115。

関連作品

* 鎌倉殿の13人（2022年、NHK大河ドラマ、演：長尾卓磨）

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