藤原文山

藤原文山の生涯と業績

藤原文山（ふじわら の ふみやま）は、平安時代初期に活躍した貴族であり、藤原南家乙麻呂流に属しています。彼は大納言藤原雄友の子として生まれ、政治と官界において重要な役割を果たしました。彼の官位は従四位上で、右京大夫も務めた経歴を持っています。

経歴と官位の変遷

藤原文山は、弘仁元年（810年）に従五位下の位に叙爵されました。翌弘仁2年（811年）には、造西寺次官に任命されたことを皮切りに、玄蕃頭に就任します。これにより彼は、平安時代の政治に関与する機会を持つこととなります。

さらに、彼は嵯峨朝、つまり嵯峨天皇の治世において宮内少輔や侍従といった重要な職を歴任し、次第に出世を果たしていきました。淳和朝に入ると、彼の昇進はさらに顕著になり、天長元年（824年）には正五位下に昇格します。翌年の天長2年（825年）には従四位下にまで昇進し、右京大夫の職を任されました。

天長10年（833年）、仁明天皇が即位する際に従四位上に昇叙され、その後も内蔵頭や再び右京大夫を歴任するなど、多くの役職を担当しました。承和8年（841年）には、3月21日にこの世を去りました。文山の最終的な官位は散位従四位上であり、彼の政治的な影響力と経歴は、その後の平安時代における藤原氏の重要性を示しています。

官歴の詳細

藤原文山の官歴は、彼の生涯を通じて順調に進展していく様子を示しています。具体的には、以下のような経歴が記録されています。

• - 時期不詳：正六位上
• - 弘仁元年（810年）11月22日：従五位下
• - 弘仁2年（811年） 1月11日：造西寺次官、4月5日：玄蕃頭
• - 弘仁3年（812年） 8月3日：宮内少輔
• - 弘仁5年（814年） 7月10日：侍従
• - 時期不詳：従五位上
• - 天長元年（824年） 1月7日：正五位下
• - 天長2年（825年） 1月4日：従四位下
• - 天長4年（827年） 2月29日：見右京大夫
• - 天長10年（833年） 3月6日：従四位上
• - 承和3年（836年） 2月7日：内蔵頭
• - 承和6年（839年） 4月4日：見右京大夫
• - 承和8年（841年） 3月21日：卒去（散位従四位上）

家族構成

藤原文山の家族構成についても触れておく必要があります。彼の父は藤原雄友、母は石上宅嗣の娘です。また、妻は紀鯖丸の娘であり、子供としては藤原長基と藤原常基がいます。長基は藤原真友の娘と結婚しています。

文献参考

藤原文山に関する詳細な情報は、森田悌の著作『日本後紀 （下）』や『続日本後紀 （上）』、さらに『尊卑分脈 第二篇』などの文献で確認できます。これらの文献には、彼の業績や家族関係、官歴に関するデータが豊富に収められており、平安時代の貴族制を理解するためには欠かせない資料です。

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