藤島範平

藤島範平

藤島範平（ふじしま はんぺい）は、1871年（明治4年）に三重県で生まれ、1947年（昭和22年）に没した、日本の実業家であり工学博士です。旧姓は山内。造船学を専門とし、帝国海事協会の理事長を務めました。

生い立ちと学歴

三重県三重郡菰野村で、三重県士族・山内俊徳の次男として生まれました。兄に山内静吾がいます。その後、藤島萬治郎の養子となり、藤島家を継ぎました。三重県立尋常中学校、第三高等中学校を経て、1894年（明治27年）に帝国大学工科大学造船学科を卒業しました。

キャリア

日本郵船時代

大学卒業後、日本郵船に入社。保船課長、参事、船舶調査主任と、要職を歴任しました。1918年（大正7年）には取締役に就任。その後、工務部長も兼任しましたが、1923年（大正12年）に退任しました。

その他の役職

日本郵船退社後、横浜船渠（後の三菱重工業横浜造船所）の社長に就任しました。その他、横浜新港倉庫社長、東京回漕会社取締役、横浜商工会議所常議員などを歴任。1936年（昭和11年）には、帝国海事協会理事長に就任し、海事産業の発展に貢献しました。

研究活動

1919年（大正8年）には、工学博士の学位を取得。専門の造船学に関する研究にも尽力しました。

人物

読書、撞球、ゴルフを趣味とし、仏教を信仰していました。本籍は三重県阿山郡東柘植村（現・伊賀市）。晩年は、東京市麹町区、小石川区、牛込東五軒町、神奈川県横浜市中区長住町などに居住していました。

家族

藤島家

藤島家は代々三重県柘植村で酒造業を営んでいました。養父に萬次郎（または萬治郎）、養母にふしへ（山路周三郎の姉）がいます。姉にますへ（またはまさへ）がおり、夫の桑治郎と共に分家しました。

妻は、養父萬治郎の二女かねへ。

長男の敏男は日本銀行員、その妻は孝子。敏男の長男である泰輔は作家で、その妻はメリー喜多川、娘はジャニーズ事務所代表取締役の藤島ジュリー景子です。三男の良平は三井物産社員、その妻は英子です。四男の昌平、その妻の佐規がいます。長女の信は佐々木一造の妻、二女の千代は山口利彦の妻です。

親族

実弟の山内静吾は、日本銀行理事や横浜正金銀行副頭取を務めました。長男の敏男の先妻の父である川原五郎は、三菱造船参事、日本鋼管顧問、横浜高等工業学校教授でした。

参考文献

『東京帝国大学一覧 明治27-28年』東京帝国大学、1886-1912年
『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年
『人事興信録 第6版』人事興信所、1921年
『大日本博士録 VOLUME V』発展社、1921 - 1930年
『大日本博士録 第5巻』発展社、1921 - 1930年
『人事興信録 第8版』人事興信所、1928年
『人事興信録 第9版』人事興信所、1931年
『帝国大学出身名鑑』校外調査会、1932年
『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年
『人事興信録 第14版 下』人事興信所、1943年


藤島範平は、実業家、技術者としてだけでなく、その家系もまた、現代社会に影響を与えている人物であると言えるでしょう。

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