藤沢郵便局 (神奈川県)

藤沢郵便局

藤沢郵便局は、神奈川県の南部に位置する藤沢市に開設されている郵便局です。日本の郵便事業における重要な拠点の一つであり、地域住民や企業に対し、郵便、貯金、保険といった幅広いサービスを提供しています。かつては集配普通郵便局として、藤沢市内の広範なエリアの郵便物等の集荷・配達を担っていました。

概要と所在地

本局は、藤沢市の中心部に近い藤沢一丁目に位置しています。具体的な住所は〒251-8799 神奈川県藤沢市藤沢115-2です。局舎内には、郵便窓口に加え、ゆうちょ銀行藤沢店（さいたま支店藤沢出張所、取扱店番号020080）および、かんぽ生命保険藤沢支店が併設されており、ワンストップで郵便局関連のサービスを利用できる利便性の高い施設となっています。

歴史

藤沢郵便局の歴史は、日本の近代郵便制度が創設された1871年4月20日（明治4年3月1日）に、「藤沢郵便取扱所」として業務を開始したことに遡ります。その後、制度の発展に伴い、1873年（明治6年）には「藤沢郵便役所」へと改称。さらに1875年（明治8年）1月1日には「藤沢郵便局」（当初は三等局）となり、翌日からは為替の取扱いも始まりました。1879年（明治12年）には貯金業務も開始され、金融サービスの提供も行うようになりました。

通信事業の統合・分離に伴い、1897年（明治30年）3月21日には電信業務も担うようになり「藤沢郵便電信局」となりましたが、1903年（明治36年）4月1日には通信官署官制の施行により再び「藤沢郵便局」の名称に戻されています。

戦後の動きとしては、1948年（昭和23年）12月6日に片瀬郵便局から一部の集配業務を引き継ぎ、集配区域を拡大しています。局舎に関しては、1950年（昭和25年）2月28日に当時の庁舎敷地の一部が個人から寄付される出来事がありました。電信為替業務の一部は、1958年（昭和33年）10月10日に藤沢電報電話局へ移管されています。現在の局舎は1974年（昭和49年）5月に竣工し、1997年（平成9年）4月14日からこの新庁舎での業務が開始されています。

また、利用者の利便性向上のため、CD（現金自動支払機）やATM（現金自動預払機）のみを取り扱う出張所も過去に設置されました。1992年（平成4年）9月1日には藤沢市藤沢のさいか屋内に、1993年（平成5年）3月22日には藤沢市辻堂新町のニチイ内にCD業務のみの出張所が設けられ、1997年（平成9年）3月19日には藤沢市南藤沢のライン南藤沢ビル内にATM業務のみの出張所が設置されました。金融業務の多様化としては、1993年（平成5年）7月1日より外国通貨の両替や旅行小切手の売買業務も開始されています。

大きな転換点となったのは、2007年（平成19年）10月1日の郵政民営化です。これにより、郵便事業部門は郵便事業株式会社藤沢支店、貯金部門は株式会社ゆうちょ銀行藤沢店、保険部門は株式会社かんぽ生命保険藤沢支店へと業務が移管されました。その後、2012年（平成24年）10月1日には、日本郵便株式会社が発足し、旧郵便事業株式会社藤沢支店の業務が藤沢郵便局本体に統合され、現在の体制に至っています。

取扱業務

藤沢郵便局では、窓口業務として郵便物をはじめ、印紙の販売、ゆうパックの受付、内容証明の取扱いを行っています。また、生命保険、バイク自賠責保険、自動車保険、がん保険、引受条件緩和型医療保険など、各種保険商品の募集業務も取り扱っています。

集配業務

藤沢郵便局は、藤沢市内の広範囲にわたる郵便物等の集配業務を担っています。担当区域は、善行地区より南側の地域で、郵便番号では主に251-00xxおよび251-08xxの区域です。この集配業務は、内部的に第一から第三までの集配営業部に分かれて担当しています。

第一集配営業部: 西富、大鋸、藤が岡、川名、弥勒寺、村岡東、高谷、小塚、宮前、渡内、柄沢、片瀬、片瀬山、片瀬目白山、片瀬海岸、江の島、本町、朝日町、旧番地の藤沢・鵠沼地区などを担当しています。
第二集配営業部: 南藤沢、鵠沼花沢町、鵠沼橘、鵠沼東、鵠沼石上、鵠沼藤が谷、鵠沼神明、本鵠沼、鵠沼桜が岡、鵠沼松が岡、鵠沼海岸、辻堂、辻堂東海岸、辻堂西海岸などを担当しています。
* 第三集配営業部: 新番地の藤沢地区、本藤沢、大庭、白旗、花の木、みその台、立石、善行、善行坂、善行団地、城南、羽鳥、稲荷、辻堂神台、辻堂新町、辻堂元町、辻堂太平台などを担当しています。

これらの集配業務に加え、夜間や休日にも郵便物の差出しや受取りが可能な「ゆうゆう窓口」も設けられています。

ゆうちょ銀行藤沢店

局内に併設されたゆうちょ銀行藤沢店では、貯金業務全般（通常貯金、定期貯金など）、貸付、為替、振替、振込、国際送金といった基本的な金融サービスの他、外貨両替、トラベラーズチェックの売買、国債や投資信託の販売、変額年金保険の取扱い、さらにはスルガ銀行の個人ローン申込受付なども行っています。ATMも設置されており、入出金などの操作が可能です。

かんぽ生命保険藤沢支店

こちらも局内に併設されており、生命保険に関する業務を行います。個人向けの窓口業務については、郵便局が代理店として対応しています。

アクセスと周辺環境

藤沢郵便局は、JR東海道線、小田急江ノ島線、江ノ島電鉄線の各線が乗り入れる藤沢駅の北口から徒歩約5分という、交通至便な場所にあります。バスを利用する場合も、神奈中バスや江ノ電バスの「藤沢駅北口」停留所からアクセスできます。自動車の場合、新湘南バイパスの藤沢ICから南東に約4kmの距離にあり、国道467号沿いに位置しています。駐車場も6台分設けられています。

周辺には藤沢市役所、藤沢市消防本部、藤沢産業センター、藤沢税務署、藤沢簡易裁判所といった公共施設が多く立地しており、地域の行政・経済活動の中心地に近い環境です。

なお、岩手県一関市、茨城県土浦市、長野県伊那市にも同名の「藤沢郵便局」が存在しますので、利用の際には注意が必要です。

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