藤波清世

藤波清世（ふじなみ きよよ）は、室町時代に活躍した公卿であり、神祇大副や伊勢神宮の祭主を務めました。彼の生涯は、室町時代の公家社会における神祇官の重要性を示すものとして注目されます。

生涯

藤波清世は、大中臣親世の子として生まれました。大中臣氏は、代々神祇官を務める家柄であり、清世もまたその伝統を受け継ぎました。

明徳5年2月3日（1394年3月5日）、清世は神宮祭主となります。これは伊勢神宮における最高の地位の一つであり、彼の家柄と能力が認められた結果と言えるでしょう。応永7年（1400年）には、従三位に叙せられ、公卿に列しました。この頃には既に神祇権大副となっており、その多岐にわたる才能を発揮していました。彼は「北三品」と称され、その名声は高かったとされています。

応永15年（1408年）には神祇大副に転任しますが、翌応永16年11月に79歳で逝去しました。法号は正祐。彼の死は、当時の公家社会に大きな影響を与えたと考えられます。

官歴

藤波清世の官歴は以下の通りです。

応永7年4月2日（1400年4月26日）：従三位
応永15年8月3日（1408年8月24日）：神祇大副へ転任

これらの官歴からも、彼が室町時代の公家社会において重要な役割を果たしていたことがわかります。

系譜

藤波清世の系譜は以下の通りです。

父：大中臣親世
兄弟：大中臣国世
妻：不詳
子：藤波清誠、藤波清基、藤波清郷、藤波清忠

彼の子孫もまた、神祇官として活躍した人物が多く、藤波家の家系は室町時代の神祇官を支える重要な役割を果たしました。

まとめ

藤波清世は、室町時代の公卿として、神祇大副や伊勢神宮祭主を歴任し、公家社会において重要な役割を果たしました。彼の生涯と官歴、そして系譜は、室町時代の公家社会における神祇官の地位と役割を理解する上で、貴重な情報源となります。

参考文献

* 『公卿補任』第三篇（『新訂増補国史大系』所収、吉川弘文館、1974年）

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