藤田山忠義

藤田山忠義（ふじたやま ただよし）

プロフィール

藤田山忠義は、1924年2月11日に福岡県田川郡（現在の田川市）で生まれました。高砂部屋（入門時は片男波部屋）に所属した元大相撲力士であり、後に日本プロレスでプロレスラーとしても活躍しました。1969年5月9日に45歳で亡くなっています。

大相撲時代の体格は身長167cm、体重113kgと、当時としては小柄ながらも太鼓腹の肥満体型でした。得意手は押しで、最高位は西前頭12枚目（1950年1月場所）。愛嬌のある風貌とユーモラスな仕草で人気を博し、「キューピーさん」の愛称で親しまれました。また、改名の多さでも知られ、本名の藤田に「山」を付けたり取ったりを繰り返したことも有名です。

大相撲力士として

1939年1月場所に本名である藤田の四股名で初土俵を踏みました。順調に出世し、1944年5月場所には新十両へ昇進を果たしました。入門から1945年6月場所までは連続して勝ち越しを収めるなど、実力も兼ね備えていました。所属部屋は、片男波部屋が閉鎖されたため、花籠部屋、さらに花籠部屋も閉鎖したため高砂部屋と移籍しています。

1951年には、高砂親方（元横綱・前田山）を団長とするアメリカ巡業に参加。大ノ海、八方山とともに渡米し、各地で相撲を披露しました。巡業は大好評を博し、契約延長のため帰国が遅れ、3力士とも9月場所を休場することになりました。この時、協会内では厳しい処分や番付の大幅な降下が議論されましたが、相撲普及の功績が認められ、休場分の番付降下は一部にとどめられました。しかし、翌1952年1月場所で十両優勝を果たし、1場所で幕内に復帰するという驚異的な粘り強さを見せました。

1954年1月場所で幕下に陥落し、同年9月場所限りで現役を引退。相撲協会には残らず、プロレス界入りしました。

その他の活動

大相撲を廃業後はプロレスラーとして活躍。また、黒澤明監督の映画『どん底』にも出演しています。

小柄な体格ながらも、太鼓腹で大銀杏を結えないほど頭髪が薄かった藤田山。その風貌は土俵上の三枚目的な存在として人気を集めました。高く塩を撒く所作や、勝って太鼓腹をさする仕草なども観客を魅了しました。また、相撲甚句も得意で、「女迷わす藤田山」という締めの言葉は満場の笑いを誘いました。アメリカ巡業中には八方山と共に数々の珍談をまいたという逸話も残っています。

主な成績

通算成績：189勝197敗57休 勝率.490
幕内成績：73勝100敗23休 勝率.422
現役在位：40場所
幕内在位：14場所
十両優勝：1回（1952年1月場所）

改名歴

藤田 忠義（ふじた ただよし）: 1939年1月場所 - 1941年5月場所
藤田山 忠義（ふじたやま -）: 1942年1月場所 - 1948年5月場所
藤田山 兼藏（- けんぞう）: 1948年10月場所 - 1949年5月場所
藤田 忠義（ふじた ただよし）: 1949年10月場所
藤田山 忠義（ふじたやま -）: 1950年1月場所
藤田 忠義（ふじた -）: 1950年5月場所 - 1951年5月場所
藤田山 忠義（ふじたやま -）: 1951年9月場所 - 1954年9月場所

参考文献

* 藤田山 忠義 - 相撲レファレンス

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