藤田忠夫

藤田忠夫：宇部市の発展に貢献した元市長

藤田忠夫（ふじた ただお）は、1939年生まれの日本の元政治家であり、元建設技官です。彼は山口県宇部市長として、地域の発展に大きく貢献しました。

経歴

山口県宇部市出身の藤田氏は、山口県立宇部高等学校、東京大学工学部を卒業後、建設省（現在の国土交通省）に入省しました。沖縄開発庁振興局専門官、日本道路公団計画部課長、会計検査院技術参事官、建設省関東地方建設局道路部長、同道路局国道1課長、同近畿地方建設局長など、数々の要職を歴任しました。

1993年5月に建設省を退官し、翌6月の宇部市長選挙に出馬。この選挙は、前市長の中村勝人が小野湖周辺のゴルフ場建設計画を巡ってリコールされたことを受けて行われました。藤田氏は、ゴルフ場開発以外の方法での小野地域振興を掲げ、保守系から日本共産党まで幅広い層の支持を受け、無投票で初当選を果たしました。

2期目以降の選挙では日本共産党の候補者との一騎打ちが続きましたが、連続当選を果たし、4期16年にわたり宇部市長を務めました。2008年12月8日、宇部市議会定例会にて次期市長選挙への不出馬を表明し、2009年7月17日に任期満了で引退しました。引退の理由として、年齢の問題や「アクトビレッジおのの完成により、就任時から取り組んできた北部振興策に一定の目処がついた」ことを挙げています。

市長引退後の2009年11月には山口県選奨自治功労賞を受賞。2010年5月には旭日中綬章を受章しました。

市長としての主な業績

藤田氏の宇部市長在任中は、以下の産業基盤の整備、災害対策、中山間地域対策に力が注がれました。

産業基盤の整備

市内を通る幹線道路（山陽自動車道宇部下関線、宇部湾岸道路、国道190号、国道490号、山口県道219号西岐波吉見線、都市計画道路柳ヶ瀬丸河内線など）や工業団地（宇部新都市、宇部テクノパーク、宇部臨空頭脳パーク）、山口宇部空港拡張事業（新ターミナルビル、滑走路2500メートル化）、宇部港港湾整備事業（芝中ふ頭多目的国際ターミナル整備、本港地区航路・泊地増深）など、宇部市の産業と交通の基盤を整備しました。これらの整備は、後任市長の久保田后子氏による企業誘致政策の基礎となっています。

災害対策

宇部市中心部を流れる真締川の上流域における真締川ダム建設、下流の市街地部分の護岸整備を実施。これにより、平成21年7月中国・九州北部豪雨における市街地の浸水を未然に防ぎました。

中山間地域対策

市長選出馬のきっかけとなった小野地域振興策として、「アクトビレッジおの」整備事業等に取り組みました。楠町との合併後は、合併協定項目を着実に実行に移しました。

栄典・表彰

山口県選奨自治功労賞（2009年）
旭日中綬章（2010年春の叙勲）
* 宇部市特別功労者（2011年）

藤田忠夫氏は、宇部市長として、その卓越したリーダーシップと先見の明で、宇部市の発展に大きく貢献しました。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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