蜂須賀重隆

蜂須賀重隆：徳島藩世嗣の栄光と失墜

蜂須賀重隆（はちすかしげたか）は、江戸時代中期に阿波国徳島藩の世嗣となった人物です。通称は帯刀、官位は従四位下・内匠頭に叙せられました。

生涯

重隆は、阿波富田藩世嗣であった蜂須賀隆寿（5代藩主蜂須賀綱矩の三男）の次男として生まれました。母は吉成氏であり、幼名は和十郎、初名は隆興（たかおき）と名乗っていました。

寛延4年（1751年）、従兄で世嗣であった重矩が早世したため、重隆は8代藩主・蜂須賀宗鎮の養子に迎えられ、嫡子となります。宝暦2年（1752年）には、将軍徳川家重に拝謁し叙任、偏諱を受けて重隆と改名しました。

しかし、翌宝暦3年（1753年）に、重隆は突如として廃嫡されてしまいます。その理由は定かではありませんが、藩政における何らかの事情があったと考えられます。代わりに、宗鎮の生家である高松藩一門重臣松平大膳家から、宗鎮に代わって当主を継いでいた実弟の松平頼央（蜂須賀至央）が嫡子として迎えられました。

重隆はその後、表舞台から姿を消し、天明7年（1787年）に58歳でその生涯を終えました。

系譜

重隆の系譜は以下の通りです。

父：蜂須賀隆寿（1694年 - 1756年）
母：吉成氏
養父：蜂須賀宗鎮（1721年 - 1780年）
正室：早川儀左衛門包由の娘
長女：八重（静子） - 花山院愛徳継室
長男：蜂須賀喜憲（1760年 - 1774年）
次男：蜂須賀隆穀（1769年 - 1807年）

重隆の長女である八重（静子）は、公家の花山院愛徳の継室となっています。また、長男の喜憲は若くして亡くなっていますが、次男の隆穀は家名を存続させました。

蜂須賀重隆の史料

蜂須賀重隆に関する史料としては、主に『蜂須賀家記』が挙げられます。この史料には、蜂須賀家の歴史や系譜、藩政に関する記録などが詳細に記されており、重隆の生涯についても触れられています。

まとめ

蜂須賀重隆は、徳島藩の世嗣という栄光を手に入れながらも、短期間でその地位を失った悲劇的な人物でした。彼の生涯は、藩政の複雑さや権力争いの厳しさを物語っています。しかし、彼の子孫は家名を存続させ、歴史に名を残しました。

参考文献

『蜂須賀家記』

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