蝦蟇仙人

蝦蟇仙人（がませんにん）は、中国に伝わる仙人であり、青蛙神（せいがしん）という蛙の神を従えて妖術を使うとされています。

概要

蝦蟇仙人のモデルについては、諸説あります。

三国時代の呉に左慈（さじ）から仙術を教わったとされる葛玄（かつげん）であるという説
五代十国時代の後梁に呂洞賓（りょどうひん）から仙術を教わったとされる劉海蟾（りゅうかいせん）であるという説

特に劉海蟾は、日本でも画題としてよく知られています。顔輝（がんき）の『蝦蟇鉄拐図（がまてっかいず）』の影響を受け、李鉄拐（りてっかい）と対の形で描かれることが多いです。

しかし、蝦蟇仙人と李鉄拐を一緒に描く典拠は明らかではありません。李鉄拐は八仙の一人に選ばれていますが、蝦蟇仙人は八仙には選ばれておらず、中国においては比較的マイナーな仙人です。

一方、日本では蝦蟇仙人は仙人の中でも人気があり、絵画、装飾品、歌舞伎・浄瑠璃など、様々な形で多くの人々に親しまれてきました。

蝦蟇仙人を画題とした主な作品

顔輝 『蝦蟇鉄拐図』 知恩寺（重要文化財）
伝劉俊『寒山拾得蝦蟇鉄拐図』 東京国立博物館
吉山明兆 『達磨蝦蟇鉄拐図』 東福寺（重要文化財） - 顔輝の模写
感和亭鬼武 『自来也説話』
近松門左衛門 『傾城島原蛙合戦』

関連項目

平良門 - 筑波山で蝦蟇仙人に妖術を授かったという伝説があります。
* 自来也 (NARUTO) - 漫画『NARUTO -ナルト-』に登場するキャラクター。蝦蟇仙人をモチーフにした忍者であり、蝦蟇仙人の異名を持ち、蛙を使役する忍術を使います。

もう一度検索