複巻整流子電動機

複巻整流子電動機について

複巻整流子電動機は、電機子巻線と直列接続された直巻界磁巻線、さらには並列接続された分巻界磁巻線を特徴とする電磁石型の電動機です。この構造により、さまざまな運転特性を持ち、様々な用途に適応します。

分類

複巻整流子電動機は、主に電気回路と磁気回路に基づいて分類されます。

電気回路による分類

1. 外分巻型: 直巻巻線に電機子と同じ大きさの電流が流れるタイプ。これは直巻電動機に分巻巻線を並列に追加した構造です。
2. 内分巻型: 電機子と分巻巻線を足し合わせた電流が直巻巻線に流れる形で、分巻電動機に直巻巻線を直列に追加したものです。

磁気回路による分類

1. 和動複巻: 直巻巻線と分巻巻線の磁束が足し合わさる特性を持ち、直巻電動機と分巻電動機の中間的な動作をします。
2. 差動複巻: 両者の磁束が打ち消し合う特性を持ち、始動トルクが小さいため、あまり一般的には使用されません。

特徴

複巻整流子電動機は、直巻界磁巻線と分巻界磁巻線という2つの界磁巻線を有します。和動複巻の場合、両者の中間的な特性を発揮し、広範な制御方式に対応できることから回生ブレーキを容易に使用することが可能です。ただし、内部構造が複雑で、これによって全体の重量が増加する傾向があります。

速度制御・始動法

複巻整流子電動機は、さまざまな速度制御方式を用いることができ、特に以下のような方法が一般的です。

抵抗制御

この方式では、始動時に直巻電動機と同様の方法で始動します。その後、抵抗制御が終わると、界磁調整器や他励界磁制御、さらには界磁チョッパ制御などを使って弱め界磁制御を行います。このアプローチにより、電動機の性能を最適化することが可能です。

界磁チョッパ制御

運転中、分巻界磁巻線に供給される電流がチョッパ制御され、電動機の動作が改善されます。この制御方式は初めて聞く人には複雑に感じられるかもしれませんが、特に私鉄の電車の主電動機として広く採用されている理由があります。それは、直巻電動機と電機子チョッパ制御との組み合わせに比べて、コストを抑えつつ回生ブレーキを用いることができるからです。

関連項目

• - 整流子機の電機子反作用

以上のように、複巻整流子電動機はその特異なデザインと機能により、特に鉄道などの運輸分野で重要な役割を果たしています。

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