西和賀郡

西和賀郡の概要

西和賀郡（にしわがぐん）は岩手県に位置していた郡で、1879年に行政区画が設けられました。この郡は、旧和賀郡の一部として成立し、和賀郡の北側にあたる地域を含んでいました。郡の域は、西和賀町として現在もその名を残しています。

郡の成立と歴史的背景

西和賀郡が設立されるまでの歴史をさかのぼると、幕末の段階ではこの地は陸奥国に含まれ、盛岡藩の領地でした。明治時代に入ると、陸奥国は分割され、郡の地域はまず陸中国に編成されました。盛岡藩は戊辰戦争後、領地を失い、その結果、信濃松本藩の管轄に置かれることとなります。

その後、明治元年の1869年12月7日、陸奥国から分離され、陸中国に属することとなりました。同年12月24日には、旧・盛岡藩が別の藩に転封され、再び盛岡藩がその地を治めることとなります。

郡の発足

1871年に盛岡藩は廃藩となり、その地域は盛岡県として統合されることとなりました。1878年11月26日、郡区町村編制法が岩手県に適用され、この法の施行により和賀郡が設けられました。そして、1879年には和賀郡が分割され、西和賀郡が新たに成立することとなります。当時の郡役所は新町村に設置されました。

郡の変遷

明治22年の1889年4月1日には町村制が施行され、郡内の村々が町村として認可されることとなり、そこから全域が現・和賀郡西和賀町として形を変えていきました。この時点で、2つの村、湯田村と沢内村がそれぞれの管轄を持つ形になり、後者は新町村、前郷村、大野村、太田村、川舟村、猿橋村が統合されて成立しました。

1897年4月1日には、郡制の施行に伴い、浪岡町の一部を除いた地域をもって和賀郡（第2次）が再設立されることとなり、西和賀郡はこの瞬間に廃止されたのです。

終わりに

このように、西和賀郡は歴史の中で多くの行政変革に見舞われ、その結果として区画が更新されました。現在はその名は西和賀町に引き継がれ、かつての郡の記憶を保持しています。西和賀郡の歴史は、地域の行政や藩における変遷を示す重要な一例となっています。

参考文献

• - 角川日本地名大辞典編集委員会著『角川日本地名大辞典』3 岩手県、角川書店、1985年。

西和賀郡の歴史は、地域の元々のアイデンティティや変遷を喚起させるものであり、それは岩手県の歴史の一翼を担っています。消滅した郡としての西和賀郡の存在は、地域の歴史を理解する上で欠かせない要素といえます。

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