西川里喜代

西川里喜代の生涯と功績

西川里喜代（にしかわ りきよ）は、1908年1月13日に愛知県名古屋市で生まれた名古屋西川流の踊り手である。本名は下方たき子で、彼女の舞踊の道は母親である初代西川里喜代から始まった。彼女は幼少期から母に舞踊を教え込まれ、長唄、清元、常磐津を学びつつ、舞踊の基本を身につけていった。

1927年に母が亡くなると、彼女は西川石松に師事し、さらなる技術向上を目指した。1931年には23歳で名古屋西川流の名取りとなり、二代目西川里喜代を名乗り始める。名取試験の規則では、25歳以上である必要があり、試験に合格しても1年間の観察期間を経て正式に師匠になれるため、彼女の弟子としての道は容易ではなかった。彼女はこの期間を経て、すぐに舞踊界での活動を開始した。

1945年、彼女は第1回名古屋をどりに出演し、それ以降38回連続で出演するなど名古屋の舞踊界において重要な存在となった。また、舞踊会「にしき会」を主催し、地域の文化発展に寄与した。他にも中京五流舞踊公演で立役や女形として活動し、二世西川鯉三郎が主催した「鯉風会」でもその技を披露している。

1985年12月には、「喜寿に舞う」と題したリサイタルを開催し、自身の演技を楽しんでもらう機会を創出した。1986年には舞踊会での転倒によって足に大怪我を負うも、半年後には舞台に復帰し、舞踊家としての意地を見せた。彼女は1988年11月18日と19日に「にしき会」を二日間開催し、長唄の老松や清元保名の素踊りで健在をアピール。この年の11月28日、名古屋市の自宅で心不全により80歳で逝去した。

西川里喜代の舞踊は、彼女の孫によって引き継がれ、名古屋市を中心に日本舞踊の指導を続けている。また、弟子たちには「里喜」の字を名前に付けることが伝統となっており、彼女の影響力は今もなお続いている。

受賞歴

彼女の才能は多くの賞を通じて認められており、1983年には名古屋市芸術賞特賞を受賞。他にも名古屋演劇ペンクラブ賞なども獲得している。

関連資料

　- 北条秀司監修『西川鯉三郎』 (淡公社、1970年)
　- 名古屋をどりプログラム

関連項目

　- 西川幾
　- 西川嘉義
　- 二世西川鯉三郎

西川里喜代は日本の伝統舞踊を次世代に継承する中で、地域文化に深く根付いた存在であり続けました。彼女の歩みは、多くの舞踊家や鑑賞者に影響を与えると同時に、名古屋の舞踊界において重要な位置を占めています。

もう一度検索