西方寺 (丹波篠山市)

西方寺について

西方寺（さいほうじ）は、兵庫県丹波篠山市今田町に位置する天台宗の寺院です。平野山を山号とし、本尊には阿弥陀如来、観世音菩薩、勢至菩薩からなる弥陀三尊を祀っています。この寺は、宝の道七福神霊場会の第14番札所としても知られ、特に樹齢350年を超えるサザンカの美しさで有名です。

歴史

西方寺は15世紀後半、法道によって金鶏山西光寺の塔頭として創建されました。800年以上にわたり隆盛を極めましたが、源平合戦や明智光秀の丹波平定など、度重なる災禍に見舞われ荒廃しました。その後、本荘坂にあった山門を現在地に移し、1600年頃には篠山城主松平公が今田周辺を開拓するとともに、波多野秀治の縁者である波多野源左衛門が復興に尽力し、現在の姿に至ります。

本尊の弥陀三尊は、いずれも14世紀初頭に作られたとされる木造の立像です。また、同時期に作られた不動明王像も仮殿に祀られており、毎月28日には不動講が催されます。1996年からは、宝の道七福神霊場会第14番札所として、比叡山延暦寺大黒堂の三面大黒天の分身である三面大黒天を祀り、年6回、甲子の日に甲子会が開催されています。

サザンカとカヤ

境内には、樹齢350年を超えるサザンカと、山門横に立つ樹齢600年のカヤの大木が、訪れる人々を魅了します。サザンカは高さ4.5m、東西南北にそれぞれ10mの枝を広げ、毎年11月下旬から1月にかけて薄紅色の花を咲かせます。その美しさから「紅一重」と呼ばれ、地域の人々に愛されています。1994年には丹波篠山市の天然記念物に、1996年には兵庫県の郷土記念物に指定されました。毎年11月23日には、サザンカ祭が開催され、多くの人が訪れます。

一方、カヤの木は高さ20mに達し、火災の影響で幹の下部に大きな空洞がありますが、その実は結核に効くとされ、古くから重宝されてきました。西方寺では、サザンカと本堂を切り絵で描いた4種類の御朱印があり、参拝の記念として人気を集めています。

交通アクセス

自動車でのアクセス

舞鶴若狭自動車道三田西インターチェンジ、または丹南篠山口インターチェンジから、国道372号と県道141号の交差点『本荘』を南へ約400m進むと到着します。

公共交通機関でのアクセス

JR福知山線 相野駅下車後、タクシーで約15分。
JR福知山線 草野駅、または古市駅からバスに乗車し、今田新田バス停で下車（約30分）。バス停からは約100mです。ただし、バスは日中の運行本数が限られているため、注意が必要です。

周辺情報

こんだ薬師温泉: 徒歩約15分。
瀬戸地蔵

参考文献

ささやま風土記（篠山地方観光協会）

参考サイト

天台宗兵庫教区寺院大図鑑
宝の道・丹波光七福神霊場公式サイト (ウェイバックマシンアーカイブ)

脚注

特になし

関連項目

西光寺山

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