西昌衛星発射センター

西昌衛星発射センター

西昌衛星発射センター（せいしょうえいせいはっしゃセンター、Xichang Satellite Launch Center）は、中国四川省涼山イ族自治州西昌市の郊外に位置する大型ロケット発射場です。発射場自体は西昌市街から北西約60km離れた峡谷にありますが、本部機能は西昌市内に置かれています。標高約1,500mの高地に位置することも特徴です。しばしば「西昌宇宙センター」とも呼ばれます。

概要

中国には、かつて酒泉衛星発射センター、太原衛星発射センター、そして西昌衛星発射センターの3つの主要なロケット発射場がありました。この中で、静止軌道への打ち上げ能力を持っていたのは西昌のみでした。西昌は、静止軌道への打ち上げに最適な北緯28度に位置しており、酒泉や太原よりも低緯度であるという利点がありました。

2014年、海南省に文昌衛星発射場が完成し、中国のロケット発射場は4つに増えました。文昌は、より赤道に近い北緯19度に位置しており、より大型のロケットの打ち上げや、海上輸送の利便性から、西昌の重要性は相対的に低下しました。

西昌衛星発射センターは1980年代初頭に建設され、1984年1月29日に最初の打ち上げが行われました。当初は軍事衛星の打ち上げが中心でしたが、1986年5月には商業利用が開始され、その後、多くの海外の通信衛星の打ち上げにも利用されるようになりました。

1996年2月14日には、長征3B型ロケットの打ち上げ時に爆発事故が発生し、一時的に打ち上げが中断されました。しかし、同年7月3日には打ち上げが再開され、その後も国内外の人工衛星の打ち上げを継続しています。

西昌からの打ち上げでは、1段ロケットの落下物が内陸部に落下します。そのため、打ち上げ時には、落下予想区域内の住民は一時的に避難する必要があります。落下物の回収や、落下状況に関する映像も公開されています。

組織

西昌衛星発射センターは、軍の施設でもあり、中国国務院・中央軍事委員会の国防科学技術工業委員会・衛星打ち上げ管制局の管轄下にあります。中国国家航天局の管轄下にはありません。

打ち上げ実績

ロケット
長征2E型
長征3型
長征3A型
長征3B型

人工衛星
同歩（STTW）軍事通信衛星
東方紅（DFH）通信衛星
オーサット
オプタス
静止気象衛星FY-2G

関連事項

嫦娥計画
中国の宇宙開発
酒泉衛星発射センター
太原衛星発射センター
文昌衛星発射センター

外部リンク

* Xichang - Chinese Space Facilities（英語）

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