西部方面戦車隊

西部方面戦車隊について

西部方面戦車隊は、大分県玖珠郡玖珠町の玖珠駐屯地に駐屯する、陸上自衛隊西部方面隊直轄の機甲科部隊です。平時は第8師団の隷下にありますが、有事の際には西部方面隊の指揮下に入ります。この部隊は、第4戦車大隊と第8戦車大隊を統合・再編して誕生しました。

部隊の概要

西部方面戦車隊は、隊長が玖珠駐屯地司令を兼務する体制で運営されています。編成当初は第4師団の隷下にあり、10式戦車と74式戦車をそれぞれ2個中隊ずつ運用する4個中隊基幹の部隊でした。しかし、2019年に74式戦車が全車退役したことに伴い、第3、第4戦車中隊が廃止され、10式戦車のみを装備する2個中隊体制へと移行しました。この改編により、西部方面隊直轄部隊となり、全国で初めて10式戦車だけで編成された部隊となりました。ただし、2022年以降は再び第8師団隷下部隊として運用されています。

部隊マークは、旧第4戦車大隊のものをベースに、西部方面隊の部隊マークと雄牛の角を組み合わせたデザインが用いられています。

中期防衛力整備計画においては、戦車定数の削減と島嶼防衛力の向上が重点課題とされました。この計画に基づき、第4師団は地域配備師団へ、第8師団は機動師団へと改編され、戦車部隊は北海道と九州に集約されることとなりました。九州では、西部方面隊直轄部隊として戦車部隊が設置されることとなり、第4戦車大隊と第8戦車大隊が玖珠駐屯地に集結しました。その後、第4戦車大隊の一部は水陸機動団戦闘上陸大隊に、第8戦車大隊の一部は第42即応機動連隊機動戦闘車隊にそれぞれ編入され、残余の部隊を統合・再編して西部方面戦車隊が誕生しました。

沿革

2018年3月27日：第4戦車大隊と第8戦車大隊を統合し、玖珠駐屯地にて西部方面戦車隊が新編されました。同時に、隊長には玖珠駐屯地司令が任命され、旧第4戦車大隊の警備管区を継承。平時は第4師団の隷下となり、西部方面後方支援隊第301戦車直接支援中隊が支援部隊として配属されました。また、第4偵察戦闘大隊編成の準備のため、第3戦車中隊に16式機動戦闘車が配備されました。
2019年3月26日：部隊改編が行われ、西部方面隊直轄部隊へと移行しました。第3戦車中隊は福岡駐屯地に移駐し、第4偵察隊と統合して第4偵察戦闘大隊戦闘中隊に改編されました。また、74式戦車の全車退役に伴い、第3、第4戦車中隊が廃止されました。さらに、本部管理中隊に87式偵察警戒車が配備されました。
2022年3月：西部方面隊直轄部隊から、平時第8師団隷下部隊へと再び移行しました。

警備隊区

西部方面戦車隊の警備隊区は、大分県日田市と玖珠郡の1市2町に設定されています。災害派遣活動においては、第4師団の指揮下で特例運用が行われます。

部隊編成

現在の西部方面戦車隊は、以下の編成となっています。

西部方面戦車隊本部
本部管理中隊「西方戦-本」：10式戦車、96式装輪装甲車、87式偵察警戒車
第1戦車中隊「西方戦-1」：10式戦車、96式装輪装甲車
第2戦車中隊「西方戦-2」：10式戦車、96式装輪装甲車

新編時の部隊編成は以下の通りでした。

西部方面戦車隊本部
本部管理中隊「西方戦-本」：10式戦車、96式装輪装甲車
第1戦車中隊「西方戦-1」：10式戦車、96式装輪装甲車
第2戦車中隊「西方戦-2」：10式戦車、96式装輪装甲車
第3戦車中隊「西方戦-3」：74式戦車、96式装輪装甲車
第4戦車中隊「西方戦-4」：74式戦車、96式装輪装甲車

整備支援部隊として、西部方面後方支援隊第301戦車直接支援中隊「301戦直支」が玖珠駐屯地に配置されています。

主要装備

10式戦車
87式偵察警戒車
96式装輪装甲車
軽装甲機動車
1/2tトラック、73式小型トラック
1 1/2tトラック、73式中型トラック
3 1/2tトラック、73式大型トラック
89式5.56mm小銃
12.7mm重機関銃
9mm拳銃

過去の装備品として、74式戦車や16式機動戦闘車が挙げられます。

関連情報

富士学校/富士教導団/機甲教導連隊
第4戦車大隊/第8戦車大隊
水陸機動団戦闘上陸大隊
戦車道

外部リンク

戦車道における戦車等通行予定 - 玖珠町
* 陸上自衛隊 玖珠駐屯地 公式（@camp_kusu) - Twitter

もう一度検索