観音寺城の戦い

観音寺城の戦い

観音寺城の戦い（かんのんじじょうのたたかい）は、1568年9月12日に起こった戦闘であり、織田信長が足利義昭と共に上洛を果たすために六角義賢・義治父子と戦ったものです。本戦は支城の箕作城を主な戦場とし、箕作城の戦いとも呼ばれます。この合戦は信長の天下布武が実際に行われた最初の戦闘であり、後の京都と近畿の平定に大きな影響を与えました。観音寺城の戦いは、安土桃山時代に移行する戦国時代最後の合戦と見ることもできます。

開戦の経緯

この戦いには、永禄8年（1565年）の「永禄の変」が影響しています。この事件で室町幕府の第13代将軍・足利義輝が三好三人衆に討たれ、弟の足利義昭は長い漂流生活を送ることとなりました。義昭は近江の六角氏を頼ろうとしましたが、実際には織田信長に助けを求めることになります。信長は義昭を迎え入れ、皇室からの綸旨を受けて上洛を決意し、戦いが始まることになります。

信長は義昭の近臣を使者として観音寺城に送り、義治に入洛の手助けを求めましたが、拒まれました。この際、信長は六角氏との対立を回避する姿勢も見せていたと言われています。しかし、7日間待った信長はついに開戦を決断し、大軍を率いて観音寺城に進行しました。

戦いの状況

信長軍は9月12日の未明に愛知川を渡河し、3つの部隊に分かれました。箕作城に向かった部隊は、そこを攻め落とすことに成功しました。箕作城の防備は固かったものの、織田軍は夜襲の戦術を駆使し、城を陥落させました。この落城は六角氏側の部隊にとって大きな衝撃であり、和田山の要塞も戦わずに逃走する結果となりました。

観音寺城も無血開城となり、残された六角兵は甲賀へと逃げるしかなくなりました。信長の軍は、この戦いで1500人程度の損害を被ったとされますが、勝利を得ることができました。

戦後の影響

戦いの後、六角氏は観音寺城を失ったものの、徹底した抵抗を試みましたが、最終的には降伏に至りました。六角の家老から一部の兵が逃げましたが、信長はその後も徹底的に近江を支配し、義昭を征夷大将軍に任命することで、新たな時代が幕を明けました。これにより信長は京都を掌握し、政治的にも力を強めることになります。

この戦いは、信長の天下統一への第一歩であり、後の安土桃山時代を切り開く重要な出来事とされます。戦国時代の粛清と新秩序の形成が進む中、観音寺城の戦いはその象徴的な意義を持っています。

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