話劇

話劇の歴史と発展

中国の演劇形式である話劇（わげき）は、会話と自然な身体動作を基礎にした演技スタイルを特徴としています。この形式は、日本の新劇に相当し、一般的に中国の現代演劇を指します。話劇は特に日本において中国の演劇を指す場合が多いですが、中国内では、実験演劇やミュージカルなども話劇の一部として含まれることがあります。

話劇の起源

話劇の萌芽は19世紀末の上海にさかのぼります。当時、洋式学校で学生たちが演劇を行うようになり、これが徐々に広まっていきました。20世紀初頭、日本に留学していた中国人による影響もあり、1906年に春柳社が結成され、彼らは国語を使った新しい演劇を上演しました。この春柳社が1907年に上演した作品は大きな成功を収め、話劇の先駆けとされています。

翌年の公演の成功は上海に広まり、文明戯と呼ばれる早期の話劇が辛亥革命に至る革命運動と結びつきました。しかし、1914年頃には商業主義の影響でこの動きは衰退し始めました。

話劇の確立と拡大

文明戯の衰退に対抗する形で、演劇人たちは新文化運動と連携し、五四運動以降に話劇としての形を確立しました。1924年には戯劇協社が上演した作品が成功を収め、話劇の成立の指標となりました。この時期には田漢や郭沫若などの劇作家が登場し、プロレタリア演劇運動も展開されました。職業話劇団も設立され、曹禺などの著名な劇作家が現れます。

戦争と演劇

1937年に抗日戦争が始まると、演劇人たちは短い街頭劇を巡演し、戦争の現実を反映した多くの新作が誕生しました。戦争による映画製作の制約も影響し、演劇は重要な文化的表現となりました。この時期には茅盾や老舎といった小説家が劇作に進出し、リアリズム演劇が主流となりました。

中華人民共和国の成立と演劇

1949年に中華人民共和国が成立すると、多くの国立劇団が設立され話劇は広まります。しかし、ソ連の影響下で政治的な宣伝の道具として利用され、1966年からの文化大革命では演劇が抑圧されることになります。この間、老舎の『茶館』など一部の作品を除き、多くの話劇が上演をされませんでした。文革期には革命現代京劇やバレエなどが評価され続けました。

文革後の復興

1976年の文革終結後、話劇は知識人の尊重や文革の傷を訴え、多くの観客を惹きつけることに成功しました。しかし、1980年代に入ると、映画やテレビの影響により観客の関心が薄れてしまいます。これに対抗するために、高行健や錦雲らの不条理劇などの新しい動きが生まれました。

現代の話劇

21世紀に入ると、北京人民芸術劇院や上海話劇芸術センターといった国立劇団は引き続き活発に活動し、商業演劇や実験演劇も盛況を呈しています。特に都市部では話劇が伝統演劇より人気を博していますが、地方ではその影響力が衰えています。

このように、話劇は中国の演劇文化に深く根ざした存在であり、その歴史は多様な社会背景や文化的な変化と密接に関連しています。

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