諫早茂洪

諫早茂洪（いさはや しげひろ）

諫早茂洪は、江戸時代後期の武士であり、肥前国佐賀藩の藩士として活躍しました。諫早鍋島家の12代当主として、その名を歴史に刻んでいます。

出自

諫早家は、戦国時代の武将・龍造寺隆信の又従兄弟である家晴を祖とする家系です。龍造寺氏は、かつて佐賀藩の藩主であった鍋島氏の旧主君にあたり、諫早家は龍造寺氏の一族として、鍋島氏に憚り、諫早氏を称しました。家紋には「上り藤」を用いています。代々、佐賀藩主から「茂」の字を賜ることを慣例としており、藩内における家格は親類同格とされていました。龍造寺氏の一族として、藩内では大名並みの二万六千石という知行を有し、大きな影響力を持っていました。

略歴

寛保9年（1797年）6月1日、諫早敬輝（諫早茂図の長男）の長男として誕生しました。しかし、享和元年（1801年）に父・敬輝が病に倒れたため、嫡男の座を辞し、叔父である政敏が村田家から諫早家に戻り、祖父・茂図の嫡子となりました。文化6年（1809年）2月2日には、父・敬輝が37歳で亡くなっています。

文化8年（1811年）には、叔父・政敏もこの世を去り、文化9年（1812年）に祖父・茂図が隠居したため、茂洪が家督を相続することになりました。藩主である鍋島斉直、斉正（直正）に仕え、長崎港の警備や江戸詰の役を務めました。

文政8年（1825年）には、母・哲仙院の希望を受け、四国八十八ヵ所霊場になぞらえて、領内に弘法大師の座像を設置し、諫江八十八ヵ所霊場を勧請しました。これは、領民の信仰を深め、心の拠り所を築くための施策でした。

弘化2年（1845年）7月25日、49歳でこの世を去り、菩提寺である天祐寺に葬られました。

系譜

父：諫早敬輝（生年不明 - 1809年）
母：於哲 - 哲仙院、鍋島治茂の娘
養父：諫早茂図（1747年 - 1815年）
正室：澄 - 鍋島直宜の三女
男子：諫早茂喬（1823年 - 1848年）
生母不明の子女
男子：鍋島利卿
三男：諫早茂孫（1825年 - 1866年）
四男：諫早一学（1827年 - 1895年）
女子：郁 - 鍋島茂昌の正室

参考文献

長崎県史: 藩政編
小城藩日記データベース

参考リンク

* 諫早市美術・歴史館「諫早家ゆかりの品々展」

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