諸橋晋六

諸橋 晋六（もろはし しんろく）の生涯と業績

諸橋晋六は1922年7月13日、東京府北豊島郡高田町にて五人兄弟の三男として誕生しました。彼の父、諸橋轍次は後に大漢和辞典の編纂者となったことからも、彼の家庭は知識と文化に恵まれた環境であったことが伺えます。母のキンは小千谷縮の商家の出身で、さらに詩人である西脇順三郎とは親戚関係でした。

幼少期の諸橋は、家の近くに住む著名な作家菊池寛の息子とよく遊ぶなど、文化的な家庭に育ったことで多様な人間関係を築きました。東京高等師範学校附属小学校に入学し、1935年に卒業。その後、東京高等師範学校附属中学校に進学し、サッカーに初めて触れ、1940年には主将を務めるまでになりました。

大学進学を目指して旧制高等学校を受験するも、1940年から1942年にかけて3度の不合格を経験しましたが、上智大学経済学部に進学することができました。在学中はサッカー部に所属し、東京都大学サッカーリーグで活躍しました。しかし、太平洋戦争の影響により諸橋は1943年に兵役に就き、1945年8月の終戦を兵庫県加古川で迎えました。終戦後は大学に復学し、1947年に卒業しましたが、同年に三菱商事に入社することとなります。

三菱商事入社後、諸橋はサッカー部に所属し、1947年の関東実業団サッカー大会で優勝を経験しました。1958年にマニラへ赴任し、その後1964年にはロンドンに転任。ロンドンでの業務に際しては、元日本代表選手で三菱化成社長であった篠島秀雄との協力により、『三菱ダイヤモンド・サッカー』というテレビ番組の立ち上げにも貢献しました。

彼はマニラ支店長やロンドン支店長、さらには欧州三菱商事の副社長など、数々の役職を歴任し、取締役に就任した後、1986年に社長を引き継ぎました。その後、1992年には取締役会長に、1998年には相談役へとポジションを移行しました。これに加えて、2004年からは特別顧問として活動を続けました。

諸橋は、経済人としての成功を収めたのみならず、サッカー界にも多大なる影響を与えました。2001年には勲一等瑞宝章を受章し、同年には日本サッカー協会の4級審判ライセンスを取得するなど、その寄与は評価されています。2013年6月23日、心不全により91歳でこの世を去りましたが、彼の功績はその後も語り継がれています。2014年には日本サッカー殿堂に選ばれ、その存在感を示しました。

諸橋晋六の受章歴

• - 勲一等瑞宝章（2001年4月29日）
• - 大英帝国勲章コマンダー（2001年）
• - 従三位（2013年、死後追贈）
• - 日本サッカー殿堂（2014年）

彼はまた、財団法人旭硝子財団の理事としても活躍し、日本工業倶楽部や新日本フィルハーモニー交響楽団の評議員、モナコ公国名誉総領事、日本商工会議所の特別顧問など、多くの組織に関与しました。諸橋の生涯は、実業界とスポーツ界の両方において素晴らしい業績を残した人物であったことを示しています。

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