五色台

五色台：瀬戸内海の絶景と歴史が織りなす香川の名峰

香川県の中央部、高松市と坂出市にまたがる五色台は、瀬戸内海に突き出した山塊の総称です。標高483メートルの猪尻山を最高峰とし、国分台など複数の峰々が連なる、東西約8キロ[[メートル]]、南北約10キロ[[メートル]]に及ぶ広大なメサ（卓状台地）地形が特徴です。

五色の名を持つ山々

五色台の名は、古代中国の陰陽五行説に由来するとされています。紅ノ峰、黄ノ峰、青峰、黒峰、白峰山という、五色の名を持つ峰々が存在したことにちなむといわれています。昭和35年以降は、これらの峰々を含む山塊全体を指す名称として定着しました。

眺望と自然

五色台からは、備讃瀬戸の雄大な眺めを楽しむことができます。なだらかな山容と豊かな自然は、四季折々の表情を見せてくれます。この美しい景観は、香川県内の観光地・景勝地100選「新さぬき百景」にも選ばれ、1950年には瀬戸内海国立公園に編入されました。

五色台園地には、自然体験ハウスを併設したビジターセンターや、テニスコート、プール、オートキャンプ場などを備えた休暇村があります。他にも、崇徳天皇白峯陵、四国八十八箇所霊場の白峯寺と根香寺、瀬戸内海歴史民俗資料館、五色台少年自然センター、観光果樹園、宿泊施設などが点在し、多様なレクリエーションを楽しむことができます。

アクセスと散策

五色台スカイライン（県道281号）が稜線を南北に走り、ドライブを楽しみながら展望台で瀬戸内海の絶景を満喫できます。このスカイラインは、高松市～坂出市の南側山越えの県道180号や、山麓海岸外周の県道16号と交差しています。五色台園地のほか、大崎山園地、黒峰園地、白峰園地など、各所に展望台が設置され、瀬戸大橋や多島美、夜景など、様々な眺望を楽しむことができます。白峰園地では春には桜が咲き誇り、多くの観光客で賑わいます。また、「西行のみち」として整備された乃生白峯寺線歩道では、西行法師ゆかりの史跡を訪ね歩くことができます。

歴史と文化

五色台は、歴史的にも重要な場所です。国分台遺跡からは、旧[[石器時代]]のサヌカイト製ナイフ形石器などが出土しており、大規模な原産地遺跡として知られています。サヌカイトは、地元では「カンカン石」と呼ばれ、お土産品としても人気です。世界で唯一のサヌカイト製石琴（リソフォン）も製作されています。

崇徳天皇白峯陵は、保元の乱で讃岐に配流された崇徳天皇の陵墓です。隣接する白峯寺は、空海や円珍ゆかりの真言宗寺院で、多くの文化財を有しています。境内には、国の重要文化財に指定されている建造物や、県指定文化財の石灯籠などがあります。また、四国八十八箇所第82番札所の根香寺も、五色台に位置し、紅葉の名所としても知られています。

瀬戸内海歴史民俗資料館は、瀬戸内海の歴史と文化を伝える資料館で、国の重要有形民俗文化財を所蔵しています。建物自体も建築史的に価値が高く、賞を受賞しています。白峯寺と根香寺を結ぶ遍路道の一部は、国の史跡「讃岐遍路道」に指定されています。

地形と地質

五色台の地形は、約1300万年前～約1500万年前の瀬戸内火山活動によって形成されました。讃岐層群と呼ばれる地層からなり、基盤の花崗岩の上に、凝灰岩、火山角礫岩、讃岐岩質安山岩、そしてサヌカイトが重なっています。サヌカイトは、国分台、青峰、白峰山などに分布し、その溶岩が地表に分布する世界で唯一の場所として知られています。

登山とハイキング

五色台は、登山やハイキングにも最適な場所です。山麓には四国八十八箇所第80番札所国分寺があり、白峯寺から根香寺へと続く遍路道が整備されています。標高差の少ない比較的容易なコースが多く、四季折々の自然を満喫できます。

その他

五色台の国有林は、「レクリエーションの森」に指定され、2990ヘクタールは香川県の鳥獣保護区に指定されています。サヌカイトは「県の石」や「日本の地質百選」にも選ばれています。「崇徳天皇ゆかりの地を訪ねるみち」は「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選定されています。

アクセス

五色台へは、バス路線が山麓まで運行されていますが、山上への乗り入れはありません。JR予讃線が南麓を走っています。

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