谷崎十郎

谷崎十郎の生涯と映画キャリア

谷崎十郎（たにざき じゅうろう、1896年9月3日 - 1977年7月6日）は、日本の映画俳優として知られ、多くの作品に出演した人物です。彼は、初期の芸名として谷崎千代麿や谷崎千代丸を用い、本名は谷内義清（たにうち よしきよ）という名で知られています。しっかりとした背景を持ち、多様なキャリアを築いた谷崎の人生について詳しく見ていきましょう。

出生から帰国までの歩み

谷崎は1896年、アメリカのワシントン州オリンピアに生まれました。父親は事業家として成功を収めており、谷崎もその影響を受けて育ちました。6歳の時に日本へ帰国し、学習院で教育を受けました。後に東京薬学校（現在の東京薬科大学）に進学しますが、1917年には中退し、父の自動車販売会社を運営することになりました。

映画界への進出

1925年、谷崎は京都の小笠原プロダクションに入社し、同社が製作した『男を磨け』に出演して俳優デビューを果たします。彼はその後、日活に移籍し、辻吉郎監督の作品『剣は怒る』や『荒木又右衛門』などに出演し、注目されるようになりました。

特に1926年から1927年にかけて製作された系列作品『鳴門秘帖』では主演を務め、その名を広めました。これらの作品を通じて、彼は多くのファンを獲得し、優れた演技力で知られるようになりました。

プロダクション設立とさらなる飛躍

1928年、谷崎は自身のプロダクションを設立し、映画製作を手がけるようになります。この年、彼はマキノ・プロダクションに移籍し、主演した『浪人街 第一話 美しき獲物』がキネマ旬報のベストテン1位を獲得するなど、商業的にも成功を収めました。この時期には、彼は南光明、根岸東一郎、河津清三郎などと共演し、さらなる知名度を得ました。

引退と晩年

しかし、彼の活躍は長く続かず、1933年には下村健二監督の『大久保彦左衛門』に出演したのが最後の作品となり、翌年に引退を発表します。その後は、穏やかな生活を送りながら、家族との時間を大切にしていたとされます。谷崎の人生は、映画界での華々しい功績の陰にある個人としての生活があったことを物語っています。

家族と次世代への影響

谷崎の孫娘には女優の真山知子がいし、その娘である蜷川実花は彼の曾孫に当たります。映画人としての遺伝子は次世代へもしっかりと受け継がれていることがわかります。

主なフィルモグラフィ

彼のキャリアは多岐にわたりますが、特に以下の作品が代表作として挙げられます：

• - 『男を磨け』 (1925年、監督三善英芳)
• - 『剣は怒る』 (1925年、監督辻吉郎)
• - 『荒木又右衛門』 (1925年、監督池田富保)
• - 『鳴門秘帖』全七篇 (1926年 - 1927年、監督辻吉郎)
• - 『浪人街 第一話 美しき獲物』 (1928年、監督マキノ正博)
• - 『大久保彦左衛門』 (1934年、監督下村健二)

まとめ

1977年、谷崎十郎は満80歳でこの世を去りました。彼の影響は今でも多くの人々に受け継がれ、映画史に名を残す存在となっています。谷崎の業績は、今日の映画界にも多大な影響を与え続けているのです。

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