谷水雄三

谷水雄三：日本の競馬史に名を刻んだオーナーブリーダーの生涯

谷水雄三氏は、1939年3月27日生まれの日本の実業家で、競馬史に名を刻んだ著名な馬主として知られています。関西と九州でゴルフ場経営などを手掛けたタニミズ企画株式会社の元代表取締役会長でもあり、2010年には紺綬褒章を受章するなど、多方面で活躍しました。

馬主としての輝かしい経歴

谷水氏の馬主としての活動は、1971年に父・信夫氏の急逝をきっかけに始まりました。32歳の若さでカントリー牧場と馬主業を継承した谷水氏は、父と同じ黄色と水色の襷の勝負服、そして冠名「タニノ」を受け継ぎました。

谷水氏は、日本中央競馬会（JRA）に登録する馬主として、数々の名馬を所有し、大きな成功を収めました。その中でも特に記憶に残る功績は、2度の東京優駿（日本ダービー）制覇です。2002年にはタニノギムレットが、2007年にはウオッカがダービーを制し、谷水氏は親子二代に渡ってダービーオーナーの栄誉に輝いたことになります。（父・信夫氏はタニノハローモアとタニノムーティエでダービーを制覇）。

これらのダービー勝利には、時の首相も駆けつけました。2002年のタニノギムレットの優勝には小泉純一郎首相、2007年のウオッカの優勝には安倍晋三首相がそれぞれ来場し、両馬に内閣総理大臣賞が授与されました。これらの出来事は、谷水氏の馬主としての地位を不動のものとし、日本競馬界においても大きな話題となりました。

谷水氏は、長年にわたり、京都馬主協会会長、日本馬主協会連合会会長（2001年4月～2003年3月）、同会最高顧問などを歴任し、競馬界の発展に大きく貢献しました。冠名「タニノ」を冠した馬だけでなく、冠名のない馬も数多く活躍させました。

51年にわたる馬主活動の終焉

2022年6月、51年にわたる馬主活動を終了しました。最後の所有馬となったタニノヨセミテの登録抹消をもって、谷水氏は現役所有馬ゼロとなり、後継者もいないことから事実上の引退となりました。

主要所有馬

谷水氏が所有した馬の中には、数々のG1競走を制覇した名馬が多数含まれています。

タニノチカラ: 天皇賞（秋）、有馬記念などG1競走を複数制覇した名馬。当初は父・信夫氏の所有馬でしたが、父が急逝したため谷水氏の所有馬となりました。
タニノギムレット: 2002年の東京優駿（日本ダービー）優勝馬。
ウオッカ: 2007年の東京優駿（日本ダービー）優勝馬。2007年度JRA賞特別賞、2008年度・2009年度JRA賞年度代表馬、最優秀4歳以上牝馬を受賞した、日本競馬史に燦然と輝く名牝です。
ビッグウィーク: 2010年の菊花賞優勝馬。

他にも、タニノチェスター、タニノテスコ、タニノブーケなど、多くの重賞競走優勝馬を所有し、日本の競馬界に多大な貢献をしました。ウオッカの産駒であるタニノフランケルも所有し、種牡馬として活躍しました。

ゴルフ場建設から始まったキャリア

谷水氏の経歴は、1959年に立命館大学を中退し、父の会社でゴルフ場建設に携わったことから始まりました。父の後を継いでカントリー牧場の経営を引き継ぎ、馬主として成功を収める一方、ゴルフ場経営においても手腕を発揮した人物として知られています。2011年にはカントリー牧場の経営を断念しましたが、個人の馬主としての活動はその後も継続されました。

谷水雄三氏の生涯は、実業家として、そして馬主として、常に挑戦を続け、大きな成功を収めた、波乱に満ちた物語と言えるでしょう。その功績は、日本の競馬史に長く記憶されることでしょう。

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