豊ノ海真二

豊ノ海真二の生涯

豊ノ海真二（とよのうみ しんじ、1965年9月22日 - 2021年11月20日）は、福岡県豊前市出身の元大[[相撲]]力士です。本名は濱田真二。
二子山部屋と藤島部屋に所属し、最高位は西前頭筆頭（1992年9月場所）でした。

現役時代の体格は190cm、225kg（最重量時は228kg）と巨漢で、その体格を活かした相撲が特徴でした。得意手は左四つ、寄り、閂。新十両昇進時から1990年7月場所までは「貴ノ浜真二」の四股名でしたが、翌9月場所より「豊ノ海真二」に改名しました。

生い立ちと入門

漁業を営む家庭に生まれ、幼少期から魚を食べて育ちました。この食生活が、太い骨格と丈夫な内臓を養う基礎となりました。

小学校時代には、地元の巡業で当時大関だった貴ノ花と出会い、二子山部屋への入門を約束しました。中学校卒業後、約束通り上京し、1981年3月場所に初土俵を踏みました。入門時の体重は120kgから130kgでしたが、後に150kgから160kgにまで増えました。

初土俵の同期からは、後の小結・大善や関脇・栃司など、14人の関取が誕生しています。当初の四股名は本名と同じ「濱田」でしたが、「貴ノ浜」は「貴ノ花」と本名の「浜田」に由来しています。

入門当初は腕立て伏せが1回もできず、相撲も同期生の中で一番弱かったため、いじめやシゴキの対象となりました。親方から毎日竹刀で叩かれながら稽古に励んだ結果、いじめていた力士を稽古場で負かすことができるようになり、自信をつけました。

1982年3月には、部屋付きの藤島親方（元大関・貴ノ花）の独立に伴い、藤島部屋へ移籍しました。

現役時代

序ノ口から順調に出世し、1987年9月場所に十両へ昇進。1988年11月場所には新入幕を果たし、昭和最後の新入幕力士となりました。

前頭上位で活躍した時期もあり、大関・霧島や曙に勝利したこともあります。1993年2月には、師匠・藤島が二子山親方と名跡を交換し、再び二子山部屋へ移籍しました。

現役時代には三役への昇進や三賞の受賞は叶いませんでした。1992年9月場所では、2大関を破り前半好調でしたが、後半7連敗で大きく負け越しました。これが自己最高位となりました。

引退後

引退後は年寄・山響を襲名し、二子山部屋付きの親方となりましたが、2002年6月に日本[[相撲協会]]を退職しました。

退職後は、料理人の道へ進み、2008年2月14日に東京都新宿区歌舞伎町に串焼き店「二丁目のバンデラ」を開店しました。それ以前には、弟弟子である若乃花のちゃんこ屋や、うどん屋で働いていた時期もありました。

2021年11月20日に56歳で亡くなったことが発表されました。死因は膵臓がんだったとされています。

人物像

豊ノ海は社交性が無く、人見知りする性格であったとされています。後援会員との会食にもあまり参加せず、1人でパチンコを打つのが趣味でした。
愛嬌を振りまけるタイプではなかったため、後援会員があまり集まらなかったそうです。しかし、協会退職後にうどん屋で働いていた時には、久しぶりに会いに来た弟弟子に笑顔で話しかけるなど、現役時代とは異なる一面を見せました。

師匠の二子山は、弟弟子に「お前と濱田はオレの部屋じゃなかったら関取になってねぇ!」と才能の無さを指摘したそうです。

子供はいませんでしたが、夫人との仲は円満で、後半生は充実していたとされています。温厚な性格でしたが、体重の話題になるとムキになる一面もありました。

相撲の取り口

200kgを超える巨体を利した相撲でしたが、脇が甘く、相手に二本差された後から腕を極めて出る取り口が目立ちました。一方で、太い骨格と丈夫な内臓のおかげで、体重の割に動きは良かったとされています。

稽古場では弱いが、本場所では強い「場所相撲」の力士であり、幕下時代の弟弟子には稽古場で負けることもあったそうです。しかし、部屋の力士たちは、豊ノ海との稽古で自信をつけたと言われています。

序ノ口に付いてから引退するまで、一度も休まず、「1316番連続出場」の記録を残しています。

主な戦績

通算成績：655勝661敗 勝率.498
幕内成績：209勝241敗 勝率.464
現役在位：108場所
幕内在位：30場所
連続出場：1316番

各段優勝

十両優勝：2回（1988年9月場所、1992年1月場所）
幕下優勝：1回（1986年5月場所）

改名歴

濱田 真二（1981年3月場所 - 1981年7月場所）
浜田 真二（1981年9月場所 - 1982年3月場所）
貴ノ浜 真二（1982年5月場所 - 1985年3月場所）
貴乃濱 真二（1985年5月場所 - 1985年9月場所）
貴ノ浜 真二（1985年11月場所 - 1990年7月場所）
豊ノ海 真二（1990年9月場所 - 1999年3月場所）

年寄遍歴

山響 真二（1999年3月 - 2002年6月）

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