豊田頼英

豊田 頼英（とよだ らいえい）

豊田頼英（とよだ らいえい）は、室町時代初期から中期にかけて、特に大和国で活躍した武将であり、その名は大和豊田城を中心に広く知られています。彼はまた、大和の地方勢力として「下野公」を名乗っていたことでも認識されています。

略歴

豊田氏は、山辺郡を基盤とした武士団であり、歴史の中では様々な勢力と対立しながらその地位を維持しました。特に、彼の先代である豊田中坊は、大和永享の乱において井戸氏との対立に身を投じ、彼自身が惣領としての地位を築いていました。

頼英は、家系としては分家の豊岡氏に属しており、豊田中坊が没落した後に大和において力を持つようになったと伝えられていますが、具体的な詳細は明らかになっていません。彼が活動を始めたのは、嘉吉3年（1443年）頃で、この時期には摂津の河上五ヶ関務代官職を巡る大きな争いが起こっていました。

この争いは、大乗院門跡の経覚と、成身院光宣、筒井順永兄弟との間で展開されましたが、頼英は経覚に支持を寄せ、光宣を追い出す結果となりました。これにより、古市胤仙や小泉重弘らとともに、畠山持国から雑務権の断職を賜り、光宣が復帰するまでの間、大和の支配を任されることになります。

その後、康正元年（1455年）、畠山持国の死によって引き起こされた家督争いには、畠山義就と畠山政久の間での争いがあり、頼英は義就を支持しました。政久派の筒井順永を追放し、長禄3年（1459年）まで尋常出仕の筆頭とされました。このように、頼英は時代の波に乗りながら権力を拡大していったのです。

また、寛正3年（1462年）には、東寺の領土である河原城荘において代官としての職務を遂行し、彼の晩年には権律師へと任じられたとされています。彼の治世は、武士としての務めを全うするだけでなく、地域の支配と政治においても重要な役割を果たしました。

頼英は、延徳2年（1490年）に生涯の幕を下ろし、享年88歳という長い生涯を全うしました。

彼の人生についての記録は、いくつかの歴史文献に残されており、例えば、朝倉弘による『奈良県史11 大和武士』や、峰岸純夫・片桐昭彦編の『戦国武将合戦事典』などが参考とされています。これらの資料は、彼の生涯や武士としての活動を知る上で貴重な手がかりとなっています。

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