貞照寺

貞照寺（ていしょうじ）

貞照寺は岐阜県各務原市にある真言宗智山派の寺院で、成田山という山号を持つ重要な宗教施設です。この寺院は東海三十六不動尊の第三十霊場としても知られています。特筆すべきは、日本で初めての女優として知られる川上貞奴が自身の私財を投じてこの寺を建立した点です。彼女は幼少期から成田山を信仰しており、本尊には不動明王が祀られています。

文化財と境内の見どころ

貞照寺には、文化財に登録されている多くの建物があります。具体的には、本堂や庫裏、書院、鐘楼、門、宝物倉、稲荷堂、さらには浄水舎が含まれています。これらの建物は、貞照寺の歴史的価値を示す重要な遺産として保護されています。

また、境内にある貞奴縁起館では、川上貞奴と関わりのあった品々や彼女の遺品が展示されています。特に、彼女自身が葬られている霊廟は訪れる人々に深い感慨を与え、多くの参拝者を引き寄せています。芸事や諸芸上達にご利益があるとされており、特に芸能人が多く訪れることで知られています。

歴史と変遷

貞照寺の設立は1933年（昭和8年）10月28日で、当初は「金剛山桃光院貞照寺」と名付けられていました。これは、川上貞奴と旧知の福澤桃介に由来しています。川上貞奴はこの寺を中心に信仰生活を送り、彼女の死後1946年（昭和21年）には、彼女が葬られました。

1960年（昭和35年）には、荒廃していた貞照寺が成田山名古屋別院の管理下に置かれ、名称も「成田山貞照寺」へと変更されました。その後、1985年（昭和60年）にはNHKの大河ドラマ『春の波涛』で全国的に知られるようになりました。

近年では、2024年（令和6年）2月27日に火災に見舞われ、鐘楼が焼失するという悲劇もありましたが、地域の人々や信者によってその伝統と精神が引き継がれています。

アクセス情報

貞照寺への交通アクセスは便利です。JR高山本線の「鵜沼駅」や、名鉄各務原線および犬山線の「新鵜沼駅」からは、約2kmの距離に位置しています。また、各務原市が運営するふれあいバスを利用することができ、鵜沼線や東西線の「貞照寺前」停留所で下車後、徒歩で約1分の距離です。

まとめ

貞照寺は川上貞奴によって設立された歴史深い寺院であり、多くの文化財が残されています。多様な展示物や霊廟を通じて、訪れる人々に豊かな歴史と文化を伝えています。また、芸事成就のご利益が幅広く認知されているため、毎年多くの参拝者が訪れる場所となっています。

もう一度検索