賈秀

賈秀（かしゅう）

賈秀（生年不詳 - 469年）は、中国南北朝時代の北魏に仕えた政治家です。字は不明で、本貫は武威郡姑臧県（現在の甘粛省武威市）です。

生涯

賈秀は、賈彝の子として生まれました。若い頃から学問に励み、北魏に仕えて中書博士となりました。その後、中書侍郎、太子中庶子、揚烈将軍と順調に昇進し、陽都県男の爵位を与えられ、青州大中正を兼任しました。文成帝の時代には、陽都県子に進み、振威将軍の位を加えられました。

当時の北魏朝廷では、丞相の乙渾が権勢を振るっていました。乙渾は自らの妻に公主の称号を与えようとしましたが、賈秀は「公主や王姫の称号は、拓跋氏（北魏の皇族）以外にはふさわしくない」と主張し、これを拒否しました。乙渾は多くの人々を殺害していたため、周囲の者は皆恐れていましたが、賈秀は乙渾夫妻の怒りを買いながらも、平然としていました。幸いにも乙渾が間もなく殺害されたため、賈秀は難を逃れることができました。

ある時、賈秀と高允の長男である高忱を長楽郡太守として派遣する辞令が出されました。しかし、賈秀は「功績のない者に先達を超えさせるべきではない」と主張し、これを固辞しました。このことからも、賈秀の公正な人柄がうかがえます。

賈秀は、北魏の5人の皇帝（太武帝、文成帝、献文帝、孝文帝、顕祖）に仕えましたが、大官に上ることはありませんでした。しかし、常に朝廷の機密を扱う重要な地位にあり続けました。彼は清廉で質素な生活を送り、私財を蓄えることはありませんでした。469年に亡くなると、その功績を称えられ、大将軍、冀州刺史、武邑公の位を追贈されました。諡は簡公です。

人物

賈秀は、剛直で公正な人柄であったと伝えられています。乙渾の専横を恐れず、正しいことを主張する姿勢は、多くの人々に感銘を与えました。また、私欲がなく、清廉な生活を送ったことも、彼の高潔な人柄を示すエピソードとして知られています。

家族

賈秀の子である賈儁（かしゅん）は、顕武将軍、荊州刺史を歴任しました。後に洛州刺史となり、学官を設置して教育に尽力しました。賈秀の血筋もまた、北魏の発展に貢献しました。

伝記資料

賈秀に関する記述は、『魏書』巻33 列伝第21と『北史』巻27 列伝第15に収録されています。これらの史書によって、彼の生涯と業績を知ることができます。

まとめ

賈秀は、北魏の政治家として、清廉潔白で公正な人柄、そして国を思う強い信念を持って職務を全うしました。彼の生涯は、後世に語り継がれるべき模範となるでしょう。

もう一度検索