賞金ランキング (囲碁)

囲碁賞金ランキングとは

囲碁の世界において、棋士がその実力を示す指標の一つが賞金ランキングです。これは、囲碁棋士が様々な棋戦を通じて獲得した賞金と対局料の合計金額をランキング形式で発表するものです。ランキングは年次で更新され、棋士の活躍を測る上で重要な指標となっています。

ただし、ランキングに示される金額は、あくまで棋戦での獲得賞金と対局料に限られます。実際には、棋士は執筆活動による印税収入や、アマチュアへの指導料など、棋戦以外の活動からも収入を得ています。これらの収入が棋戦での獲得金額を上回るケースも少なくありません。

ランキングの仕組み

日本国内には、日本棋院と関西棋院という2つの主要な囲碁団体が存在します。これらの団体は、それぞれ独自の基準で所属棋士の賞金ランキングを算出しています。ランキングの算出対象となるのは、棋士が棋戦で勝利した際に得られる「賞金」と、対局に参加することで得られる「対局料」の合計金額です。

ランキングには、一部の限られた棋士のみが参加できる棋戦や、年齢制限のある若鯉戦、マスターズカップなどの棋戦での賞金・対局料も含まれます。また、ランキングの賞金額は、棋戦の新設や廃止、賞金額の変動、制度の変更など、様々な要因によって変動することがあります。

女流棋士の賞金額には、女流棋戦で獲得した賞金も合算されます。そのため、女流棋士と男性棋士のランキングを単純に比較することはできません。例えば、2009年の謝依旻女流棋士は、日本棋院の賞金ランキングで9位に入りましたが、彼女が獲得した女流名人戦と女流本因坊戦の賞金を除くと、ランキングは16位まで下がります。

昇段規定における賞金ランキング

日本棋院や関西棋院の昇段規定には、「賞金ランキングによる昇段」という制度があります。ただし、この制度で用いられる賞金ランキングは、上記の賞金ランキングとは定義が異なります。昇段の対象となるのは、七大棋戦のみであり、女流棋戦や年齢制限のある棋戦、全棋士が参加できない棋戦などは含まれません。これにより、年齢や性別に影響されることのない、公平なランキングが昇段の基準となっています。

日本の囲碁界の現状

2017年12月12日現在、日本棋院には338名（うち女流棋士は66名）、関西棋院には137名（うち女流棋士は23名）の棋士が所属しています。

日本棋院発表の年間賞金ランキングは、業界紙『週刊碁』などに掲載されるほか、公式サイト上でも一部が無料で公開されています。2021年までは日本棋院所属棋士のトップ10が公開されていましたが、2022年からは関西棋院所属棋士も含まれるようになりました。

歴代賞金王と女流棋士賞金トップ

歴代の賞金王や、女流棋士の中で最も高い賞金を獲得した棋士の情報は、以下の通りです。これらのデータは、囲碁界の歴史を振り返り、棋士たちの活躍を称える上で貴重な情報源となります。

*女流棋士賞金トップ
日本棋院に所属する女流棋士のうち、最も高い賞金を挙げた棋士を記載します。1万円未満は切り捨てています。括弧つきは次点。

2023年 上野愛咲美 2837万円（藤沢里菜 1511万円）
2022年 上野愛咲美 2874万円（藤沢里菜 2443万円）
2021年 藤沢里菜 3199万円（上野愛咲美 2350万円）
2020年 藤沢里菜 2741万円（上野愛咲美 1754万円）
2019年 藤沢里菜 2659万円（上野愛咲美 2077万円）
2018年 藤沢里菜 2189万円
2017年 藤沢里菜 2404万円（謝依旻 2047万円）
2016年 謝依旻 2976万円（藤沢里菜 1175万円）
2015年 謝依旻 2109万円
2014年 藤沢里菜 1673万円（謝依旻 1293万円）
2013年 謝依旻 1458万円
2012年 謝依旻 1569万円
2011年 謝依旻 2027万円（向井千瑛 728万円）
2010年 謝依旻 1882万円
2009年 謝依旻 1502万円
2008年 謝依旻 1582万円（加藤啓子 935万円）
2007年 謝依旻 1091万円（加藤啓子 993万円）
2006年 青木喜久代 869万円（万波佳奈 831万円）
2005年 小林泉美 1025万円
2004年 知念かおり 1097万円（小林泉美 1064万円）
2003年 小林泉美 1800万円
2002年 小林泉美 1104万円
2001年 小林泉美 1507万円（青木喜久代 907万円）
2000年 青木喜久代 1311万円

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