赫連定

赫連定（かくれん てい）：夏の終焉を招いた皇帝

赫連定は、五胡十六国時代の夏の第3代にして最後の皇帝です。彼の治世は、夏の滅亡へと向かう激動の時代でした。

生涯

赫連定は、夏の初代皇帝である赫連勃勃の五男として生まれました。428年、兄である第2代皇帝赫連昌が北魏に捕らえられたことを受け、平涼に逃れて皇帝に即位します。

即位後、赫連定は各地に散らばった敗残兵をまとめ上げ、北魏から関中全域と統万城を除くオルドス地方の諸城を奪還することに成功します。一時は勢力を回復したかに見えましたが、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

430年、赫連定は南朝宋と同盟を結び、かつての都である統万城の奪回を目指します。しかし、北魏はこれを逆手に取り、夏の首都である平涼を陥落させることに成功。これにより、夏の勢力は大きく衰退し、赫連定は敗残兵を率いて上邽へと逃れることになります。

再起を図る赫連定は、431年1月に西へ進軍し、南安の西秦を攻め滅ぼします。さらに、全軍を率いて北涼への遠征を敢行しますが、黄河を渡る途中で、服属していた吐谷渾の慕璝に裏切られ、軍は壊滅的な打撃を受けます。赫連定自身も北魏に捕らえられ、ここに夏は滅亡を迎えることとなりました。

432年、赫連定は北魏の太武帝のもとに送られ、処刑されます。彼の死は、夏の終焉を象徴する出来事となりました。

赫連定の宗室

父：赫連勃勃（世祖）
兄：赫連昌

赫連定は、夏の再興を目指しましたが、最終的には夏の滅亡を招いた悲劇の皇帝として歴史に名を刻んでいます。

参考文献

『晋書』「赫連勃勃載記」巻130
『魏書』「列伝第八十三 - 鉄弗劉虎」巻95
『北史』「列伝第八十一 - 僭偽附庸」巻93
『資治通鑑』「宋紀」巻120 - 巻122
* 『十六国春秋』「夏録」

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