越谷市の歌

越谷市の歌

「越谷市の歌」（こしがやしのうた）は、埼玉県越谷市が公式に定めた市歌です。この楽曲は、市が市制施行20周年を迎えた1978年に記念事業の一環として制定されました。作詞は椎木一男、補作は詩人の宮澤章二、作曲は奥村一が手掛けています。

制定までの背景

越谷市にまつわる公式またはそれに準ずる楽曲としては、市制施行以前の町制時代から存在しています。

まず、南埼玉郡越ヶ谷町から越谷町へと名称が変わる以前の時代、1930年（昭和5年）には「越ヶ谷音頭」が存在しました。この音頭は野口紅堂が作詞し、町田嘉章が作曲したもので、ラジオ放送を通じて広く知られるようになりました。

そして、1958年（昭和33年）に越谷町が市制を施行した際には、その記念として新たな楽曲「越谷音頭」が作成されました。この音頭の作詞は越谷音頭作成会、補作は横井弘、作曲は山口俊郎によるものです。歌手の林伊佐緒と大津美子が歌唱を担当し、キングレコードからは町制時代の「越ヶ谷音頭」（戦前）と市制記念の「越谷音頭」（戦後）を両面に収録したシングル盤が製造・販売されています。

市歌の誕生

現在の「越谷市の歌」は、1978年（昭和53年）に行われた市制20周年記念事業の中で制定が計画されました。この事業では、市を象徴する市花や市木の選定、市民憲章の制定と並行して、市歌の作成が進められました。

市歌の歌詞については、市民の参加を促すために、市が発行する広報誌『広報こしがや』を通じて懸賞募集が行われました。この募集によって集まった多くの作品の中から、東京都庁の職員であった椎木一男氏の歌詞が入選作として選ばれました。選考に携わった審査委員の一人であった詩人の宮澤章二氏が、その歌詞に補作を加え完成させました。

完成した歌詞に奥村一氏が曲をつけ、楽曲が完成。同年11月3日に開催された市制20周年記念式典において、初めて公の場で演奏されました。

制定に際しては、日本録音企画によってソノシート（規格品番：RP-1108）が制作されました。このソノシートのB面には、市歌とは別に、同じく越谷市をテーマにした行進曲「水と緑と太陽と」のアレンジ版が収録されていました。

現在の利用

越谷市役所によれば、「越谷市の歌」は主に市の周年事業の式典など、公式な場で歌われる機会があるとされています。また、市民の健康増進を図る目的で作成された市民体操「ハッポちゃん体操」のBGMとしても、市歌がアレンジされて使用されています。

参考文献

中山裕一郎 監修『全国 都道府県の歌・市の歌』（東京堂出版、2012年）

関連項目

埼玉県の市町村歌一覧

外部リンク

* 越谷市の歌（越谷市公式ウェブサイト）

もう一度検索