趙郡

趙郡（ちょう-ぐん）

趙郡は、中国にかつて存在した郡であり、漢代から唐代にかけて、現在の河北省邯鄲市一帯に設置されていました。

歴史

秦代

秦の時代には、邯鄲郡が置かれていました。

漢代

紀元前203年（高帝4年）、張耳が趙王となると、邯鄲郡・鉅鹿郡・常山郡を管轄する趙国が成立しました。その後、趙国は代国を兼領したり、王の交代や呂后の死、文帝の即位などを経て、その範囲や形態を変化させていきました。

紀元前154年（景帝3年）の呉楚七国の乱鎮圧後には、趙国は廃止され、邯鄲郡・鉅鹿郡・清河郡・常山郡・中山国が置かれました。しかし、紀元前152年（景帝5年）には、景帝の子である広川王劉彭祖が趙王となり、邯鄲郡北部に再び趙国が置かれました。

前漢の趙国は冀州に属し、邯鄲・易陽・柏人・襄国の4県を管轄していました。王莽の時代には、桓亭郡と改称されています。

29年（後漢の建武5年）には、広陽王劉良が趙王となり、再び趙国が置かれました。後漢の趙国は、邯鄲・易陽・柏人・襄国・中丘の5県を管轄しました。213年（建安18年）に趙王劉珪が博陵王となると、趙国は廃止され、趙郡が立てられました。

三国時代・晋代

232年（太和6年）には、鉅鹿王曹幹が趙王となり、趙国が再び立てられました。277年（咸寧3年）には、司馬倫が趙王となり、趙国が立てられました。晋の趙国は、平棘・房子・元氏・高邑・柏人・中丘・平郷・下曲陽・鄡の9県を管轄しました。

南北朝時代

北魏の時代には、趙郡は殷州に属し、平棘・房子・元氏・高邑・欒城の5県を管轄しました。北斉の時代には、殷州は趙州と改称され、趙郡は趙州に属しました。

隋代

583年（開皇3年）、隋が郡制を廃止した際、趙郡は廃止され、趙州に編入されました。その後、596年（開皇16年）に欒州が置かれましたが、605年（大業元年）には趙州に統合されました。しかし、607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、趙州は趙郡と改称されました。この時の趙郡は、平棘・高邑・賛皇・元氏・廮陶・欒城・大陸・柏郷・房子・藁城・鼓城の11県を管轄しました。

唐代

618年（武徳元年）、張志昂が唐に降ると、趙郡は趙州と改められました。742年（天宝元年）には、趙州は再び趙郡と改称されましたが、758年（乾元元年）には趙郡は趙州と改称され、以後、趙郡の呼称は歴史から姿を消しました。

このように、趙郡は時代の流れの中で、その所属や管轄地域、名称を幾度となく変えながら、中国の歴史にその名を刻みました。

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