足立寛

足立寛（あだち かん）

概要

足立寛は、1842年6月14日（天保13年5月6日）に生まれ、1917年（大正6年）7月7日に亡くなった、幕末から明治にかけての医師、医学者、そして日本陸軍の軍医です。最終階級は陸軍軍医総監であり、陸軍軍医学校長も務めました。字は士得、号は菊径、欲堂と称しました。妻は坪井信道の娘です。

生涯

遠江国山名郡国本村（現在の静岡県袋井市）に生まれた足立寛は、医学の道を志し、木村軍太郎に師事しました。その後、大阪の適塾で緒方洪庵に学び、さらに福沢諭吉の書生として慶應義塾で学びました。慶應義塾では塾長も務めるなど、その才能を発揮しました。幕府の西洋医学所では塾頭として指導にあたりました。

1887年（明治20年）には、陸軍軍医学舎長に就任し、一等軍医正に昇進しました。陸軍省にも出仕し、軍医総監、陸軍軍医学校長として軍医の育成に尽力しました。また、慶應義塾医学所の設立にも深く関与しました。文部省医術開業試験委員長、文部省薬剤師開業試験委員長も務めるなど、多忙な日々を送る中で、衛生学に関する多くの著作を執筆し、医学の発展に貢献しました。

1917年7月7日、胆嚢炎のため75歳でこの世を去りました。戒名は白楽山院殿静寿実得大居士です。

栄典

1889年（明治22年）11月29日 - 大日本帝国憲法発布記念章
1891年（明治24年）12月28日 - 従五位

参考文献

* 三田商業研究会編『慶應義塾出身名流列伝』実業之世界社、1909年（明治42年）6月。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/777715（近代デジタルライブラリー）

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