辻本甫

辻本甫（つじもと はじめ）

プロフィール

辻本甫は、日本の外交官であり、アラブ首長国連邦（UAE）やブルネイの特命全権大使を歴任した人物です。現在は帝京大学の教授として、開発関係論を専門に教鞭を執っています。そのキャリアは、外務省での要職から大使、そして大学教授へと、多岐にわたっています。

経歴

1969年、一橋大学経済学部在学中に外務公務員採用上級試験に合格し、卒業と同時に外務省に入省しました。1972年にはケンブリッジ大学社会・政治学部を卒業し、国際的な視野を広げました。

外務省では、国際連合局社会協力課長、研修所総括指導官、大臣官房電信課長など、様々な役職を歴任しました。1993年には欧州連合（EU）日本政府代表部公使として、欧州との外交関係に携わりました。その後、1996年にはトロント総領事としてカナダとの関係を深め、1999年にはブルネイ駐箚特命全権大使に任命され、同国との友好関係構築に尽力しました。

2003年にはアラブ首長国連邦駐箚特命全権大使に就任し、中東地域における日本のプレゼンス向上に貢献しました。2006年に外務省を退官後、中日本高速道路株式会社の顧問を経て、2007年より帝京大学法学部法律学科教授に就任しました。

2020年には、長年の外交活動における功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

外務省同期

辻本氏の同期には、以下のような著名な人物がいます。

遠藤乙彦（財務副大臣、公明党衆議院議員）
野坂康夫（鳥取県米子市長、文部省審議官）
谷内正太郎（外務事務次官）
田中均（東京大学公共政策大学院客員教授、外務審議官政務担当）
高須幸雄（国連大使、国際社会協力部長）
藤崎一郎（駐米大使、外務審議官）
宮本雄二（駐中国大使、中国課長）
重家俊範（駐韓大使、中東アフリカ局長）
小町恭士（駐タイ大使、駐オランダ大使、官房長、欧州局長）
飯村豊（駐仏大使、経済協力局長）
堀村隆彦（自治体国際化協会常務理事、駐ブラジル大使、中南米局長）
今井正（沖縄大使、駐マレーシア大使、国際情報局長）
高橋恒一（三井住友海上火災保険顧問、元外務省研修所長、駐チェコ大使、法務省審議官、国際社会協力部長）
林梓（駐ベルギー大使、文化交流部長、岩手県警察本部長）
天木直人（評論家、駐レバノン大使、内閣審議官）
松井靖夫（科学技術協力担当大使、駐コスタリカ大使、国際協力事業団理事、内閣審議官）

著作・論文

辻本氏は、外交官としての経験に基づいた論文も発表しています。

* 『知られざる王族の国、ＵＡＥの最近の情勢』（中東調査会、2007年06月25日）

まとめ

辻本甫は、外交官として長年活躍し、数々の要職を歴任しただけでなく、教育者としても後進の育成に尽力しています。その経験と知見は、国際関係論の研究や外交政策の立案に大きな影響を与え続けています。

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