迅鯨 (初代)

迅鯨 (じんげい) の詳細

迅鯨は、日本海軍の艦船で、名前は「すみやか」な行動を象徴する「迅」(ジン)と、海の王者である「鯨」(ゲイ)から成り立っています。この艦名は、特に雄のくじらが海を疾走する姿に由来しています。

概要

迅鯨はフランスの技師レオンス・ヴェルニーによる設計のもと、横須賀造船所で建造されました。建造には実に8年近くの歳月がかかり、外海用御召艦として設計されたため、豪華な室内設備を備えています。特に座席（御座）の制作には14,490円という高額な費用がかかりました。

艦型

艦型は2檣スクーナー型の木造外輪船であり、快走御召船としての役割があります。『日本近世造船史』ではヨットとして分類され、『Conway』では外輪コルベットとしています。本来は3檣の計画がありましたが、1876年にチボジエーの進言によって2檣に変更されました。外観や船体に対する実用上の問題から、この変更が行われたのです。

機関

主機は斜置きの2気筒機械が1基設置され、シリンダーの直径は1,480mm、行程は1,600mmです。触面復水器も装備されており、ボイラーは高円缶を4つ持ち、蒸気圧は45ポンド/平方インチに達します。

改造

最初の試運転は1877年から始まりましたが、常に軸が焼損する問題に直面し、回転数や速力に制限がかかりました。1880年にはクランクシャフトが破断する事態が発生し、機械の振動や艦の安定性に関する問題も浮き彫りになりました。特に、外輪が水中に沈むことがあり、船体の改修を行う必要がありました。この時、フランシス・エルガーと協力し船体の強度を増した結果、1881年には速力の改善が見られました。

要目

艦の要目は、主に『横須賀海軍船廠史』や『帝国海軍機関史』などの文献に基づいて集約されています。例えば、『海軍省報告書』では排水量は1,450英トン、吃水深は前部4.22m、後部4.60mと記録されています。速力は9.5ノットとされていますが、他の文献によっては14ノットに達すると言われています。

艦歴

迅鯨は1872年から製造開始がされ、1873年に横須賀で起工されました。1876年には進水し、次にボイラーや主機を設置後、試運転が始まりました。しかし、船の異常などで運航にはさまざまな問題があり、1881年には改装工事が完了し、正式に艤装が整いました。その後も迅鯨は様々な試運転や改造を経ながら、海軍の任務に従事しました。

1882年の沖縄航海や京城事変に参戦し、その後水雷術練習艦に転用されました。最終的に迅鯨は、1909年に廃船され、その後売却されることとなりました。

艦長の履歴

艦長に関しては、坪井航三や福島敬典など様々な指導者が歴任しています。その経歴の多くは、日本海軍史に詳細に記録されています。

迅鯨はその設計と運航の独特さから、今なお海軍史に名を留めている艦船の一つです。

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