近鉄10400系電車

近鉄10400系電車（エースカー）

近鉄10400系電車は、1961年9月に登場した近畿日本鉄道の特急形電車です。「エースカー」という愛称で親しまれ、1960年代から1990年代にかけて近鉄特急の主力として活躍しました。

概要

1959年に登場した10100系（ビスタカーII世）は、名阪ノンストップ特急で運用されていましたが、主要駅停車の特急（乙特急）には旧式の車両が使用されていました。そこで、2階建車両を連結しない汎用特急車として開発されたのが、このエースカーです。自在に編成を組み替えられる特徴から、トランプのエースにちなんで名付けられました。

当初は乙特急用として設計されましたが、東海道新幹線の開業により名阪ノンストップ特急の利用客が減少したため、エースカーも甲特急運用に投入されるようになりました。ビスタカーと連結した「VA編成」も組成されました。

車両

電動車のモ10400形と制御車のク10500形で構成されています。1961年に4両編成2本が製造され、大阪線と名古屋線に配置されました。

車体

普通床構造の20m級ボギー車で、10000系や10100系のデザインを継承しています。集中式冷房装置や裾絞りのある車体断面、複層式固定窓などが特徴です。客用扉は2枚折戸で、座席は回転クロスシートを採用。シートラジオも装備されていました。

主要機器

駆動システムはWNドライブ方式、主電動機は三菱電機製MB-3020Dを搭載。制御装置は三菱電機製電動カム軸式抵抗制御器です。台車は近畿車輛製KD-41B・Cを採用しています。

編成

基本は4両編成ですが、ク10500形は連結・解放が可能で、他の系列との併結も柔軟に対応できました。この特性が「エースカー」の愛称の由来となっています。

改造・廃車

1967年には主電動機を換装し、性能向上を図りました。1974年には車体更新工事を行い、4両固定編成化。前面形状の変更や冷房装置の換装も実施されました。しかし、後継の22000系の登場により、1992年までに全車廃車となりました。

脚注

注釈

出典

関連項目

近畿日本鉄道の車両形式
近鉄特急

外部リンク

* 鉄路の名優（近鉄公式サイト）:10400系

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