近鉄6600系電車

近鉄6600系電車の概要

近鉄6600系電車は、近畿日本鉄道（近鉄）が1983年に南大阪線のために導入した狭軌の一般車両です。この電車は、元々の釣掛車6411形および経年が進んでいた6800系「ラビットカー」の後継として製造されました。6600系は全体で4編成、つまり8両が製作され、主に2両編成で運用されています。

編成構成

6600系の編成は、阿部野橋寄りから「ク6700形 （Tc）」と「モ6600形 （Mc）」の2両で構成されており、電算記号はFTで識別されます。

車両の構造

6600系の車体は、他の界磁チョッパ車、特に大阪線用の1400系を踏襲した設計がなされています。車体の側面と屋根の接合部が約176mm高くなっているほか、屋根に続く構造の局面半径も変更され、全体的にスタイリッシュな印象を与えています。製造中に車体の設計は見直され、初期のデザインから改良された部分があります。

車内では、サンドウェーブ柄の化粧板や、天井にこもれび柄が採用されており、インテリアの美しさが際立っています。また、座席は8800系から改善されており、背もたれの厚みや座面の高さ・角度に工夫が施されています。座席の色合いにはワインレッドや灰色（優先席には紫系とオレンジ）が使用され、視覚的にも楽しい設計です。

主要機器

6600系は、Mc車にはKD-90形、Tc車にはKD-90A形の台車が装備されています。主電動機には150kWの角形複巻電動機MB-3287形が使用され、M台車の車輪径は910mmと、他のタイプに比べて大きなサイズです。歯車比は6.20となっており、性能全般において優れた仕上がりを見せています。

制御装置は日立製作所のMMC-HTR-10Eが用いられ、GTO素子を導入しています。集電装置はPT-48形がMc車に2基設置されており、補助電源装置としてブラシレス式のサイリスタMGが採用されています。6600系の設計は、長距離の連続勾配区間が少ない南大阪線に適応したものになっています。

改造の歴史

6600系は、2001年から2003年にかけて2050系と同様の車体更新を受け、その際に内装も変更されました。具体的には、壁面は灰色系、床は茶色系の砂目模様となり、よりモダンで快適な空間となっています。6602F以降には転落防止幌や車椅子スペースの追加が行われています。

さらに、2020年から2022年にかけては2回目の更新が行われ、壁面は灰色中心に改められ、座席には中央部に手すりが設置されるなど、安全性や快適性が向上しました。この更新の際、6601Fにも車椅子スペースが追設されています。

運用状況

6600系は、導入から現在にかけて、他の形式と共に4両から8両編成で広範囲に運用されています。特に南大阪線全域で活躍していますが、道明寺線では運用されていない点が特徴です。2019年4月1日の時点で、検車区は古市検車区となっています。

近鉄6600系は、そのデザインや運用の効率性において近鉄の中でも重要な役割を果たしています。この電車は、性能・安全性・快適性を兼ね備えたモダンな車両として、多くの利用者から支持されています。

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