迦葉山龍華院

迦葉山龍華院（かしょうざんりゅうげいん）について

迦葉山龍華院は、群馬県沼田市上発知町に所在する曹洞宗の寺院であり、一般的には「迦葉山」と称されることが多いです。本寺院は山の中腹に位置しており、その歴史は848年（嘉祥元年）に遡ります。この年、桓武天皇の皇子である葛原親王が、天台宗の僧である円仁を迎えて創建を計画したと伝えられています。しかし、これは歴史的事実として確認されていないため、勧請開山として考えるべきです。

歴史

1456年（康正2年）には、天巽慶順という僧によって曹洞宗に改宗されました。その後江戸時代には、徳川家康の祈願所としても知られ、格式ある御朱印を受けました。しかし、歴史の中で数回の火災に見舞われ、本堂や開山堂、鐘楼といった重要な建物が焼失しました。特に1879年（明治12年）と1929年（昭和4年）に発生した火災では、多くの施設が失われ、再建が続きました。

天狗伝説

迦葉山には天狗にまつわる興味深い伝説があります。天巽禅師の高弟である中峰尊は、その神秘的な力で修行者を険しい岩山へと導いたとされています。彼は「吾れ迦葉仏の化身にて」という言葉を残し、この地に永く留まることを誓い、後に天狗の面がその伝説の証として残りました。

境内の見どころ

中峯堂

この場所には、大天狗面や交通安全を祈願した「交通安全身代わり大天狗」が安置されています。大天狗面は、名高い天狗の一つとして知られています。

坐禅堂

ここでは研修道場として利用され、1983年に奉納された「諸願成就大天狗」が安置されています。この面は、沼田まつりで御輿に使われることでも有名です。

観音堂（奥の院）

天巽禅師が修行を行った地でもあり、近世建築の唯一の例です。1736年の棟札があり、その年に建てられたと考えられています。

迦葉堂

これは1887年に移築された建物で、18世紀の建築様式を持つ正方形の造りです。

山門

1936年に再建されたこの山門は、前身の建物が1765年に建てられていたことが確認されています。

開山堂

1880年に再建されて以来、観音堂や迦葉堂と共に重要な文化財として保存されています。

文化財と名物

なお、迦葉山龍華院には、沼田市指定の天然記念物である「馬かくれ杉」が存在しており、地域の重要な自然遺産とされています。これら全てが、この寺院の魅力をさらに引き立てています。

このように、迦葉山龍華院は歴史や伝説、文化財、自然が融合する特別な場所で、多くの人々に愛され続けています。

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