通谷池

通谷池（とおりたにいけ）

通谷池は、愛媛県伊予郡砥部町宮内にある、農業用水を供給するため池です。2010年には、農林水産省の「ため池百選」に選定されました。

歴史

道後平野は、かつて深刻な水不足に悩まされていました。1771年の大旱魃では、水争いによる死者まで出るほどでした。その後、重信川の伏流水を利用した赤坂泉が整備され、水利権に関する問題は収束しましたが、依然として農業用水は不足していました。

通谷池は、1793年に宮内村と麻生村が共同で築造したのが始まりです。その後、1967年の中予分水事業により大規模な改修が行われました。この事業では、仁淀川水系の面河ダムから石鎚山を越えて水を引く「虹の用水」が建設され、通谷池にも導水されるようになりました。

役割

現在、通谷池は道後平野の約250ヘクタールの田畑を潤しています。また、虹の用水は、通谷池からさらに大谷池へと水を送っています。

自然と環境

池の周辺には桜が植えられており、春には美しい花見の名所となります。また、えひめこどもの城、愛媛県立とべ動物園、愛媛県総合運動公園にも隣接しており、地域住民や観光客の憩いの場となっています。池では手漕ぎボートを楽しむこともできます。

池にはガマが自生し、淡水クラゲが見られることもあります。冬にはカモが飛来し、サギが羽を休める姿も見られます。

地元自治会や企業などが「通谷調整池環境保全推進協議会」を設立し、美化活動や植栽などを行っています。土地改良区は、湖面に噴水を設置して水を攪拌し、プランクトンの異常発生を抑えるなど、水質保全にも取り組んでいます。

アクセス

JR四国予讃線松山駅または伊予鉄道松山市駅からバス
国道33号（砥部道路）沿い

外部リンク

* ため池百選 - 農林水産省

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