造道

青森市造道地区の詳細解説

青森市に位置する造道（つくりみち）は、1丁目から3丁目までの地名であり、かつては村名および大字名としても存在しました。本稿では、現在の「造道（1～3丁目）」と、かつての「大字造道」について詳細に解説します。

造道（1～3丁目）

地理

造道（1～3丁目）は、青森市街地の東部に位置し、北は海岸に面しています。東は赤川を隔てて東造道、南は国道4号青森東バイパスを隔てて岡造道、西は根子堰を隔てて合浦と隣接しています。

歴史

1994年（平成6年）2月28日、青森市造道・八重田地区住居表示整備事業により、この地名が新たに誕生しました。元々は、後述する大字名に由来します。

町名の変遷

造道地区は、住居表示整備事業を通じて、その姿を変えてきました。

交通

地域内を通過する主要な道路は以下の通りです。

旧陸羽街道（奥州街道）: 地域北部の1丁目と2丁目の間に位置し、合浦公園東口から東へ伸びています。赤川手前の沢田橋付近で青森県道259号久栗坂造道線と合流し、沿道は閑静な住宅地となっています。沢田橋西側の交差点には、街道の並木であった松が数本残っています。
青森県道259号久栗坂造道線: かつての国道4号であり、2丁目と3丁目の境界をなしています。地域の南西端から東端に抜け、沿道には商店と住宅が混在しています。青森市営バス本線（沢田橋経由）や青森市市民バス青柳線が運行しています。
2号遊歩道: 3丁目の南端、国道4号の造道小学校南側から東に分岐しています。かつての東北本線の敷地が遊歩道として整備されており、沿道は住宅地ですが、空き地も点在しています。
国道4号青森東バイパス: 地域の南端、3丁目と岡造道との境界を通っています。沿道には学校や住宅、商店が立地し、青森市営バス、十和田観光電鉄バス、弘南バス、青森市市民バスが運行しています。

施設

造道地区には、以下の施設があります。

青森市立造道小学校
造道福祉館
青森造道郵便局

商店等

青森県民生協八重田店
マエダストア八重田店
フラワー温泉やえだ

学区

市立小・中学校に通う場合の学区は、各学校の所在地によって異なります。

大字造道

大字造道は、藩政時代の村名であり、後に造道村、青森町、青森市の大字名となりました。青森平野のおおよそ堤川の東から赤川の東岸にかけて広がる地域に相当しますが、堤川の河道移動により、一部は堤川西岸にも及んでいました。海岸寄りの地域は「浜造道」または単に「造道」、山寄りの部分は「岡造道」と呼ばれていました。堤川東岸の渡し場付近には茶店が建ち並び、「茶屋町」という枝村を形成していました。

小字として、西から浪打、沢田、磯野が存在し、おおよその境界は、浪打と沢田が根子堰、沢田と磯野が赤川でした。明治以降、西側から宅地化・市街地化が進行し、段階的に青森町・青森市に編入されました。

歴史

藩政時代には「作道」とも書かれ、その地名は新開地であるため、道路を新たに造ったことに由来すると言われています。

1871年（明治4年）: 字浪打の南部に帰農士族が移転し、後の浪打新町、栄町が形成されました。
1872年（明治5年）: 火災に遭った諏訪神社が、堤川の中洲から字浪打（現在の栄町）に移転しました。
1876年（明治9年）: 明治天皇巡幸に際し、堤橋から東へ向かう新道が建設され、浪打新町が街道沿いとなり、後に新茶屋町とも呼ばれました。北側の古い茶屋町は古茶屋町と呼ばれました。
1876年（明治11年）: 郡区町村編制法により、東津軽郡造道村となりました。
1883年（明治16年）: 字浪打の一部の浪打新町が分離して栄町となりました。
1889年（明治22年）: 字沢田と字磯野は造道村の大字となり、村役場は浜館に置かれました。字浪打は栄町とともに青森町に編入されました。
1926年（昭和2年）: 大字造道字沢田・同字磯野が、大字八重田とともに青森市に編入され、造道村は浜館村と改名しました。
1935年（昭和10年）: 字浪打の一部が松原町となりました。
1966年（昭和41年）: 青森市東部地区の住居表示実施で、造道字浪打の一部が港町・茶屋町・合浦となりました。
1969年（昭和44年）: 練兵町地区の住居表示実施で、造道字浪打の一部が花園2丁目の一部・浪打となりました。
1994年（平成6年）: 造道・八重田地区の住居表示実施により、大字造道字浪打・沢田の各一部が造道1～3丁目となり、同時に、造道字磯野の国道4号より北側の大部分は東造道・八重田の各一部となりました。同年、造道字沢田の一部が小柳1～2丁目の各一部となりました。
2003年（平成15年）: 大字造道字磯野の一部がはまなすの一部となり、これにより、旧大字造道のすべての地域で住居表示が実施されました。

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